【ライターコラムfrom鳥栖】「自分のやるべきことを」…10試合ぶりの先発で勝利に貢献した藤田優人

【ライターコラムfrom鳥栖】「自分のやるべきことを」…10試合ぶりの先発で勝利に貢献した藤田優人

 趙東建が決めた50メートルのスーパーゴールが話題となった第19節・サンフレッチェ広島対サガン鳥栖。その陰に隠れてしまったが、しっかりと自身の役割を果たした選手がいた。それが鳥栖の右サイドバック藤田優人だ。


 第9節・鹿島アントラーズ戦でPKを与えるなどミスが出てしまったことや、ポジションを争っていた小林祐三がケガから復帰したことも重なり、藤田はこの試合以来先発から遠ざかっていた。10試合ぶりの先発となった広島戦は、さぞかし気合十分で臨んだと思いきや、彼からは意外な答えが返って来た。


「出れている時も、外れてからも、自分のやることは変えなかったし、普段どおりやるべきことはやっていたので、特に(先発の)出番が来たからといって焦りもしなかったですし、いつもどおりって感じでした」


 さらにこう続けた。


「(先発から外れて)悔しい気持ちはありましたし、その気持ちがなくなったら選手をやめた方がいいと思う。でも、悔しさを表に出してやるものではないし、やるべきことをしっかりやっていれば見ていてくれるし、出番は来ると思っていました。外された時も明らかに自分のミスだったので、その説明もありましたし、納得した上です。今ではコンディションを作り直せた良い期間だったと思っています。外れてからもいつもどおりにしっかりと練習から先頭に立ってやっていましたし」


 確かに彼は、練習でサブ組に回っても、いつもどおり周りに声をかけながら、自身もエネルギッシュに取り組んでいた。それだけでなく、取材陣に話かけられても先発出場を続けていた時と同じようにマジメに次の対戦相手を分析しつつ、時折、冗談も交えるという、いつもどおりの対応をしていた。


 サブに回っているベテラン選手が練習から真剣に取り組み、やるべきことをしっかりとやっているチームには、良い結果がもたらされる。その姿を見て、レギュラー陣は危機感を持ち、若い選手は「自分たちはもっとやらないといけない」という気持ちを持つからだ。もちろん、今回の勝利で藤田がポジションをつかんだとは言えない。それは藤田も理解している。


「これからもやることは変わらないです。オフ・ザ・ピッチでも、オン・ザ・ピッチでも、しっかり努力してやっていきたい。チームが勝てば一番良いですし、全員がその気持ちを持てば順位も一つずつ上がっていくと思う」


 そう真顔で話した藤田の表情に、これから鳥栖が順位を上げていくことを確信した。


文=荒木英喜

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