加速する弾道測定器の活用

ゴルフの練習に取り組む中で、自分の打ったボールが実際にどのような動きをしているのか、詳細に知りたいと思ったことはないだろうか。

近年、打ったボールの飛距離だけでなく、回転数や角度など弾道の性質を細かく解析できる弾道測定器の活用が、スタンダードになってきている。一般ゴルファーにも手が届く低価格帯(20万円前後)の機器も販売されているため、個人で所有することも珍しくなくなってきた。

高価な高性能弾道測定器は、多くのゴルフショップやインドアゴルフスタジオでクラブフィッティングやレッスンで活用されている。最近ではアウトドアの練習場でも設置が増えており、精度も向上していて、スマホやタブレットと連動して簡単に測定結果を知ることができる点も魅力。ゴルフにおいて弾道測定は欠かせないものとなりつつあるのだ。

レーダー式弾道追尾システムのTRACKMAN

もちろん弾道測定器はプロゴルファーも活用している。ツアー選手から弾道測定器の中で最も信頼を得ているのが、2003年にデンマークのTRACKMAN(トラックマン)社が開発したTRACKMANだ。軍事用に使用されていたレーダー式弾道追尾システムを利用している。TRACKMANの飛距離測定の精度は100ヤードで30センチ以内の誤差、とされている。

世界のプロツアーでドライビングディスタンスなどの公式データを測定するために使われていて、価格は最新モデルで300万円前後。ツアー選手や選手を教えるコーチが個人で所有、活用しているケースも多い。ツアー会場のドライビングレンジでは選手やコーチ所有のTRACKMANが打席後方にずらりと並んでいる時もあるほどだ。

弾道の測定がメインではあるがTRACKMANはクラブの動きやフェースの向きも解析することができる。CLUB PATH(クラブパス)やFACE ANGLE(フェースアングル)と呼ばれるデータだ。飛距離など弾道のボールデータとヘッド軌道などのクラブデータを照らし合わせることで、弾道とスイングの因果関係をより明確にできる。

以前は、クラブヘッドの軌道通りにボールは打ち出される、とされていたが、TRACKMANが開発され新たな研究が進むと、ボールの打ち出し方向、打ち出し角は、スイング軌道とフェースの向きに依存するという「Dプレーン」理論が浸透してきた。この理論によれば、フェースの向きがボールの打ち出しに与える影響は7〜8割ほどになるという。こういった理論が浸透してきたことも研究の起点となったTRACKMANが信頼されている証といえる。

弾道測定器を活用する際の注意点

一般のゴルファーもTRACKMANを利用することが可能だ。設置するゴルフ施設も増えてきている。他にもGC4(GC2)やフライトスコープ、スカイトラックなど、なんらかの弾道測定器が設置されているゴルフショップやゴルフ練習場(スクール)は多い。

弾道測定器が設置されているゴルフ施設を利用した時には、その時のデータをしっかりと把握しておきたい。飛距離が気になるゴルファーが多いだろうが、その飛距離を生み出する理由を探るためにボールデータやクラブデータの詳細を把握したい。そういったデータはただ飛距離を伸ばすだけでなく、ショットの精度をあげるための取り組みにもヒントを与えてくれるはずだ。

ヒントが得られたら、より適切だと考えられるスイングやクラブで再度測定してみよう。その時も、スイングやクラブを変えたことで結果が良くなったかどうかを、飛距離だけで判断しないように注意したい。ボールデータがどのように変化して、飛距離が変化したのかを把握したい。さらに言えばクラブデータがどのように変化した結果ボールデータが変化したのか、まで把握できればさらに良い。それができると、正しいクラブ選びやスイング練習をしやすくなる。

普及してきたとはいえ弾道測定をしたことがないゴルファーはまだまだ多いだろう。一度、弾道測定器が置いてあるゴルフ施設で測定してみてはどうだろうか。各データについては施設のスタッフに聞いてみると良い。データの因果関係を整理することができると弾道測定器は効果的なツールとなる。是非活用してほしい。