アタマは上位人気固定でも

夏の福島開幕はラジオNIKKEI賞。芝コースで行われる最後の3歳限定重賞である。かつて残念ダービー的な言われ方もしていたが、近年は秋の飛躍への契機となるレースへて様変わりしている。19年は皐月賞出走歴があるブレイキングドーンが勝ったものの、16年ゼーヴィント、17年セダブリランテス、18年メイショウテッコンと春のクラシック未出走馬が勝利馬に並ぶ。

ひと足早く形成されたクラシック既成勢力にこの秋、挑む馬はどの馬なのかそんな側面が強い。加えてハンデ戦のため混戦模様になることが多く、馬券的難易度は高い印象がある。まずは人気順別成績を調べる。なお東日本大震災の影響で中山に代替された11年も合わせて過去10年のデータをとりあげる。

人気順別成績(過去10年)ⒸSPAIA



1人気【2-3-1-4】と10年で2勝はやや頼りないが、2人気【4-1-0-5】、3人気【2-1-0-7】と1〜3人気で8勝と勝ち馬については上位人気馬が占める割合が高い。福島のハンデ戦、上位人気をつい疑いたくなるが、1着欄は上位人気馬から選ぶのが合理的なのだろう。

上位クラス敗退もしくはオープン以下好走

続いてハンデ戦とあって斤量別成績をみる。3歳限定のハンデ重賞はこのラジオNIKKEI賞のみ。ハンデ差がどれほど結果に左右するのか興味深いところだ。

斤量別成績(過去10年)ⒸSPAIA



53.5〜55キロ【8-7-4-45】、55.5〜57キロ【2-1-1-20】、過去10年で9勝2着8回3着5回がこの範囲を占める。軽ハンデのいわゆる格下馬の突っ込みは51.5〜53キロ【0-2-5-41】と2、3着には来るぐらい。

それ以下の斤量を背負った馬は来ていない。54、55キロが8勝2着7回3着4回と圧倒的なので、重賞実績こそないが勢いがあるような馬が強いことが考えられる。そうした馬から55.5キロ以上の実績上位馬などを絡めていくのが正解ではなかろうか。

そうしたものを物語るデータが前走クラス別成績である。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA



頭数の関係で勝率が高いのはGⅡ【3-0-0-14】だが、その勝った3頭の前走成績は以下である。

前走GⅡ組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA



前走4着【1-0-0-1】、6〜9着【2-0-0-3】とGⅡ敗退組が巻き返す。GⅡ好走馬では当然ながらハンデ55キロ以下にはならないので、この数字は不思議なものではないが、つい下のクラスを勝ってきた上がり馬的な存在に目がいきがちなので注意しておきたい。

前走1勝クラス【3-3-3-43】、2勝クラス【1-0-2-14】、オープン【3-4-2-25】と確かに格下クラスから駆けあがるような馬が多く活躍するレースではあるものの、とにかく分母が多く確率が低い、つまり絞りにくい。

前走条件戦1勝クラスあたりは勝った馬優勢で考えればよさそうだが、前走オープン出走馬はどうだろうか。

前走オープン組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA



1着【2-1-0-2】、2着【0-2-0-3】、3着【1-1-1-2】、ざっくりくくってオープンクラスは馬券に絡んだ馬に目をつけておきたい。GⅡ以上は敗退組、オープン以下は好走馬と整理しておくと推理しやすい。

1800m以上出走が条件

最後に前走との距離比較(延長または短縮)について。

前走との距離比較別成績(過去10年)ⒸSPAIA

延長馬【1-2-6-39】に対し短縮馬【6-4-3-44】なので、距離短縮組を上位にとり、延長組を連下に評価するとよさそうだ。ちなみに同距離【3-4-1-37】なので、前走1800m以上出走馬を上位に評価しながら前走1800m未満を走った馬のなかから気になる馬を捕まえるという形が理想的である。

距離短縮組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA 同距離組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA



おまけに短縮組の前走着順別成績では6着以下からの巻き返しが目につき、同距離組は1〜3着、馬券圏内にきた馬が好走中。取捨選択の際にこのデータも使用できる。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

ラジオNIKKEI賞データ