牝馬は夏に買い!を改め、冬は牝馬を消し!

「夏競馬では牝馬を狙え」という競馬格言は、聞いたことがある人が多いだろう。結論から言えば、確かに牝馬は夏に強い。しかし、馬券的に狙えるかどうかは、以下のデータをご覧いただきたい。

牝馬の季節別成績ⒸSPAIA



季節ごとに成績を見ていくと、確かに7〜9月は、好走率も回収率も高い。しかし、単勝回収率74%、複勝回収率も80%と、水準レベルにとどまる程度なのだ。つまり、夏に牝馬を買っているだけはプラス収支にすることはできない。

逆に利用するのなら、「冬は牝馬を消す」ということだ。冬競馬の方が、馬場が重くなり、スピードよりもパワーが重要になりやすい。そのため、パワー面においては、牡馬に劣る牝馬は、成績が悪くなる傾向にあるのだ。

立ち回り方としては、夏競馬の間は、『牝馬だから買い』と過剰に評価はしないこと。反対に、冬になった時には、夏の成績に左右されず、『冬だから牝馬は少し割引』と考える癖をつけるのが良いだろう。

前走の競馬場名を要チェック!

競馬場に滞在して、調教をおこない、そのまま輸送することなくレースに出走できるのが、札幌や函館競馬場の特徴でもある。そのため、馬は輸送疲れがないと推測できるため、通常よりも間隔を詰めて使う馬が多い。連闘で走る馬も非常に多く、12連闘という記録を作ったラガービッグワンも、この札幌&函館競馬場を駆け抜けた。

そこで気になってくるのが、『果たして滞在している馬たちは、本当にアドバンテージがあるのか?』という点だ。実際に滞在しているかどうか、を1頭ずつ調べるのは不可能なため、簡易的に、前走と同じ競馬場で走っていたか、または中央場所(東京、中山、京都、阪神)の2つにわけて分析してみた。

札幌&函館の前走競馬場別成績ⒸSPAIA



好走率も高くないし、回収率も、単勝75%、複勝74%と、滞在馬はそこまで優秀でない。むしろ前走で中央場所を走っていた馬だけを買い続けた方が、単勝回収率98%、複勝回収率85%と、高くなる。なぜこのようなデータになるのか。

まずひとつに、「疲れ」がある。輸送がない滞在競馬といっても、馬にとって、レースを走る体力の消耗度は、人間が想像している以上であると考えられる。『連闘といっても、輸送がないし大丈夫だろう』と、ついつい予想の時にもポジティブに考えてしまうが、そういった考えは危険だ。人間でも、住み込みで働いているからといって、通勤疲れがないから、仕事のパフォーマンスが上がる、という保証はないだろう。

次に、レースレベルの差が考えられる。間隔を詰めて使ってくる馬が多いため、出走馬のほとんどが、前走も同じ競馬場で走っていることが多い。そのため、同じ競馬場、同じコースで好成績の馬が人気になりやすいが、そこに落とし穴がある。

データが示すように、札幌や函館で好走していた馬よりも、中央場所で負けていた馬たちの方が強い可能性が高い。過去の「着順」だけに注目するだけでなく、どの競馬場で、何頭立てで、どんなメンバーを相手にして得た着順なのか、を考慮することが必要だ。そうは言っても、多くの人は、そんな手間をかけることはできないので、そんな時は、簡易的に、「前走の競馬場」を見るだけでも、回収率を上げることはできる。

仮説を立てる癖をつける

ここで大事なのは、ただデータの集計結果を鵜呑みにするのでなく、『なぜそのデータが成り立つのか?』という、仮説を立てる面白さを知ってほしい。

現代において、競馬にまつわるデータは氾濫しているため、納得したデータは信用し、疑い深いデータには惑わされない方がいい。それを納得していただく記事を書くのが、私の仕事でもあるのだが(笑)。そういったリテラシーを持って、今後も記事をご覧いただければ幸いだ。

ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」