主力は4、5歳馬

オリンピックシフトにより開幕が遅れた夏の小倉競馬。ようやくはじまる関西圏の夏、その口火を切るのが小倉記念である。真夏のハンデ重賞だけに難解な組み合わせになりがちで、予想の難易度も高い。

過去10年1人気は【2-1-2-5】、馬券圏内に入る確率は50%、勝つ可能性は20%、うーん微妙だ。だが人気薄がわんさかやってくるわけでもなく、6人気【1-2-2-5】まではそれなりの好走確率があるものの、7人気以下はさほど目立たない。極端な人気薄はどうかと思うが、1人気と6人気の3着以内率は同じ50%であり、混戦模様になりがちなレースであることがわかる。

その傾向について具体的にみていこう。なおデータは過去10年間のものを使用する。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

まずは年齢別成績。小倉記念といえば絶好の馬場状態で行われることが多く、18年トリオンフの1分56秒9を筆頭に58秒台の高速決着が多発するレース。開幕週だけに週末の天候次第で好時計決着が予測される。そうなれば若い組優位。主力は4歳【4-3-0-16】勝率17.4%、複勝率30.4%。

ただし夏に強い3歳馬は出走数が少ないが、【0-2-0-0】と出走した馬はいずれも2着(13年5人気ラブリーデイ、15年2人気ベルーフ)もここ4年は出走がない。4歳とならぶ5歳【4-4-5-30】勝率9.3%、複勝率30.2%までが主力世代といっていい。とはいえ、7歳【2-0-1-21】(10年9人気1着二ホンピロレガーロ、16年11人気1着クランモンタナ)と警戒すべき世代は多い。

斤量別成績(過去10年)ⒸSPAIA

ハンデ戦だけに斤量にも注目。51キロ以下の軽量馬は厳しく、55.5〜57キロ【4-6-3-36】あたりがもっともアテになる。57.5〜59キロは【1-0-3-5】と勝率、複勝率ともにトップ。トップハンデから順番に検討していくのがよさそうだ。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA

高速決着が続出するレースだけにロスがない枠がいいかと思いきや、1枠は【0-0-2-11】とイマイチ。対照的に大外枠の8枠が【4-1-2-16】勝率17.4%、複勝率30.4%と好成績。

距離ロスよりストレスや道中の不利を受けにくい枠がいいのはよくある現象。力差がないだけにスペースを自由にとれる外枠にアドバンテージがあるということだろう。

取捨が難しい七夕賞組より非サマー2000シリーズ出走馬が狙い

力差を示すデータとして前走クラス別成績をあげる。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

最多勝は前走GⅢ組【7-5-6-60】。10年馬券圏内30頭中18頭がこの組なので要検討だろう。ただ、もっとも出走数が多く率は出ておらず、取捨が難しい。そこで前走GⅢ組の前走レース別成績を出す。

前走GⅢ組の前走レース別成績(過去10年、主要レースのみ)ⒸSPAIA

サマー2000シリーズの七夕賞は【3-2-3-43】勝率5.9%、複勝率15.7%、出走頭数を考えると狙いにくく、とにかくこの組は絞りにくい。七夕賞組の取捨は毎年悩みの種だ。

今年の七夕賞は梅雨の長雨の影響を受けた極悪馬場だったので、当日の馬場状態次第だろう。例年通り58秒台が記録されそうな馬場であれば七夕賞組は上位着順馬を軽視、大敗組を狙うなど出し入れを考えておきたい。

鳴尾記念【3-0-0-2】、新潟大賞典【1-2-1-2】など七夕賞以外、非サマーシリーズの2000mGⅢ組は数こそ少ないが好走率が高い。出走馬がいれば注意が必要だ。前走クラス別成績に戻ると、3勝クラス【2-1-1-15】の確率が高いあたり力差がないことを物語っている。

前走3勝クラス組で好走した馬の内訳は4歳【1-0-0-7】、5歳【1-1-1-4】の主力世代だった。

前走との距離比較別成績(過去10年)ⒸSPAIA

これは一目瞭然で、前走2000m組が【9-6-6-64】勝率10.6%、複勝率24.7%と圧倒的。前走成績欄は距離からみるべきだろう。

距離短縮【1-2-2-11】、距離延長【0-2-2-37】と無視はできないものの、力差がない混戦であれば、まずは各馬を整理する指標が必要になる。前走2000mとそれ以外にわけて検討をはじめてみるのもよさそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2020年小倉記念データインフォグラフィックⒸSPAIA