末脚勝負の一戦

8月16日(日)に新潟競馬場で行われる関屋記念(GⅢ・芝1600m)。サマーマイルシリーズの3戦目を飾るこの一戦に、歴戦の古馬18頭が集結した。

今年は3歳馬の出走こそなかったものの、一昨年の覇者プリモシーンや高松宮記念で1着入線を果たした「幻のGⅠ馬」クリノガウディーなどの実績馬に加えてマイル路線の新鋭が揃い、なかなかの混戦模様といった印象だ。

重賞タイトルを手にするのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

関屋記念・過去10年 1~3着馬の4角順位ⒸSPAIA

新潟芝外回りが舞台ということで、長い直線を生かしたド派手な追い込みもたびたび見られているこのレース。ペースは概ねミドルからスローで流れており、基本的には4角3番手以内につけた馬に利はあるのだが、一方で4角10番手以下からの追い込み馬も毎年のように馬券になっている。瞬発力さえあれば後方一気も決まる条件と考えたい。

2012年にはドナウブルーが1.31.5のコースレコードを記録、さらに一昨年にはプリモシーンがこれに0.1秒差に迫るタイムを出しており、良馬場ならかなりの高速決着が期待される。しかしながら今週も週末にかけて降雨が予想されているため、少なくとも例年よりは時計がかかるものと考えておくのが良いだろう。

やや外枠有利

過去3年の新潟芝1600m枠番別成績ⒸSPAIA

続いて枠番別成績をチェック。傾向としては最内1枠の成績がやや不振であり、全体的にやや外目の枠の方が好走しているようだ。原因の一つには、開催が進むごとに馬場の内目が傷みやすいという新潟芝コースの特徴を見出すことができるだろう。あるいは、内で包まれる可能性のある内枠よりもスムーズに外に出せる外目の枠のほうが直線の追い比べでは有利ということかもしれない。いずれにせよ、真ん中から外目の枠が望ましいと考えたい。

先述したとおり今週の新潟も雨予報ということで、例年に比べて力の要る馬場となることが予測される。特に人気の一角プリモシーンは、一昨年の覇者ということで軽視はしにくいが、当時は斤量や馬場などこの馬向きの条件がそろっていた点は留意すべきだろう。今回の条件では過信は禁物と考えたい。上位から中位の人気馬までほぼ横並びと考えて、馬券を組み立てたい。

ベストな条件で

本命にはアストラエンブレムを推奨する。前走の谷川岳Sはスローの流れのなか中団からキッチリ差し切る好内容であり、今回と同じ新潟芝1600mでは実に3戦3勝と巧者ぶりをアピールしてみせた。マイル戦では持ち時計が1分33秒台にとどまっており、高速馬場での実績には乏しいのだが、今回のように時計がある程度かかる馬場はこの馬におあつらえ向きだろう。鞍上の北村宏騎手がこのレース過去10年で7回騎乗して【3-1-2-1】と相性抜群なのも心強い。

対抗はアンドラステとする。不良馬場で行われた前走・エプソムCは上がり最速で0.2秒差の4着と健闘。なかなか前と差を詰めにくい馬場状況で2、3着とタイム差なしまで追い込んできており、メンバーの中で最も強い競馬をしたと言って良いだろう。馬場が渋っても崩れなかったのは評価できるポイントであり、人気サイドのなかで信頼度は比較的高いように思われる。

3番手にエントシャイデン。前走の中京記念では、最後の直線で少しスムーズさを欠くところがありながらもキッチリ伸びて3着。近走はスタートであまり遅れることなくいい位置から運んで馬券圏内を確保できるようになっており、いよいよ本格化を迎えているという印象を受ける。直線の長い新潟の舞台はこの馬に向いているだろうし、ここでも上位を狙えるはずだ。

4番手にミッキーブリランテ。前走、中京記念では早めに進出する競馬で一旦先頭に並びかけるも、後ろからかわされて0.3秒差の5着という内容。強気の競馬で最後は甘くなったが、大きくは負けておらず悲観する必要は全くない。じっくり脚を溜められれば逆転も十分にありうると考えてこの評価とする。

プリモシーンは最内枠を引いたこともあり評価はしにくいが、実績は確かであるので相手には押さえておきたい。クリノガウディーは前走のCBC賞で12着に敗れるなどムラ駆けするタイプだが、折り合いさえ問題なければ時計のかかるマイル戦は得意な条件と考えて、印は回しておく。一方、グルーヴィットについては近走の内容から考えて短い距離に適性がシフトしてきている印象であり、ここでは無印としたい。その他、相手には馬場悪化時のパフォーマンスを評価してサトノアーサー、ドーヴァーまで押さえておく。

▽関屋記念予想▽
◎アストラエンブレム
○アンドラステ
▲エントシャイデン
△ミッキーブリランテ
×プリモシーン
×クリノガウディー
×サトノアーサー
☆ドーヴァー

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。