国内移籍は川口和久、江藤智、金本知憲、新井貴浩、大竹寛、木村昇吾、丸佳浩の7人

プロ野球のFA権取得は選手にとって大きな勲章だ。権利を行使して移籍することは野球人生においてターニングポイントになり得る重大な決断である一方、出ていかれる球団にとっては戦力ダウンとなり痛手であることも確かだ。

これまでFAで最も多く流出した球団は19人の西武。FA選手を獲得したことのない広島は9人流出している。今回は広島からFA移籍した選手を振り返ってみたい。

球団別FA流出選手数


移籍した内訳は国内が7人、海外が2人。国内他球団は下記の通り、7人中4人は巨人に移籍している。

1994年オフ 川口和久 →巨人
1999年オフ 江藤智 →巨人
2002年オフ 金本知憲 →阪神
2007年オフ 新井貴浩 →阪神
2013年オフ 大竹寛 →巨人
2015年オフ 木村昇吾 →西武
2018年オフ 丸佳浩 →巨人

黒田博樹はメジャーから「男気復帰」

広島から初めてメジャー挑戦したのは2007年オフの黒田博樹だった。

広島からFAでメジャー移籍した選手


黒田は広島時代の2005年に最多勝に輝くなど6度の2桁勝利をマークし、2007年オフにFA宣言。ドジャース入りすると、1年目から先発ローテーション投手として9勝10敗、防御率3.73の成績を残し、4年間で41勝を挙げた。2012年からヤンキースに移籍し、いきなりキャリアハイの16勝を挙げるなど、メジャー計7年で79勝をマーク。2010年から5年連続2桁勝利を挙げた。

2014年オフ、FAとなった黒田にはMLB球団から高額のオファーが届いたが、古巣・広島復帰を決断。20億円超を蹴って、広島の推定年俸4億円を選んだ黒田に「男気復帰」と称賛する声が沸き上がった。黒田は2年で21勝、日米通算203勝をマークし、2016年に引退。25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、見事に花道を飾った。

40歳でメジャーデビューの高橋建

高橋建は1994年ドラフト4位でトヨタ自動車から広島入りし、中継ぎや先発として活躍。2008年オフにFA宣言し、ブルージェイズとマイナー契約を結んだものの3月に解雇された。間もなくメッツとマイナー契約すると4月にメジャー昇格。当時40歳で、史上3位の高齢メジャーデビューとなった。

MLBで勝ち星を挙げることはできなかったが、1年間で28試合に登板。2010年から広島に復帰し、同年限りで引退した。現在は阪神の二軍投手コーチを務めている。

堅実経営の広島はマネーゲームには参戦せず、FAでの獲得選手はいない。逆に流出した9人はほとんどが出場機会を求めた移籍ではなく、バリバリのレギュラーだ。それでも素質の高い選手を獲得、育成し、2016年からリーグ3連覇した実績は、チーム運営の見本と言ってもいいだろう。

なお、2016年にドジャース入団した前田健太(現ツインズ)はポスティングシステムを利用した移籍だった。

【関連記事】
・FAで断トツ最多の26人を獲得した巨人、移籍選手の「その後」は?
・FAで12人を獲得した阪神、移籍選手の「その後」は?
・FAで7人を獲得した中日、移籍選手の「その後」は?