ヤクルトの青木宣親と坂口智隆がパワーで魅せる

プロ野球のペナントレースが開幕してから3ヶ月ほどが経過し、各チームとも残り40試合ほどとなった。これから優勝やCSをかけた戦いが佳境を迎えていく。

選手個人の数字に注目してみると、キャリアハイの数字を叩き出しそうな選手が複数いる。新型コロナウイルスの影響で今シーズンは従来の143試合より23試合少ない120試合制で行われているにも関わらず、だ。

なお、今回は今シーズンが5年目以上の選手を対象にしており、すでにキャリアハイの本塁打を更新している大山悠輔(阪神)や佐野恵太(DeNA)などは含めていない。

セ・リーグではヤクルトの実績者2人が頑張っている。今シーズンから主将を任されている青木宣親は、すでに15本塁打を記録。キャリアハイである2007年の20本超えも視野に捉えている。

長打が増えたからといって、その他の数字が極端に下がっていないのが青木の凄さだろう。打率3割、出塁率4割をともにクリアしており、OPSも「1」を超えている。今が全盛期と言っても過言ではない活躍ぶりだ。

坂口智隆もすでに9本塁打を放っており、オリックス時代に2度記録した5本塁打(2009年・2010年)を大きく超えてきた。チームは下位に低迷しており苦しんでいるものの、どちらかというと巧打者の印象が強い青木と坂口が本塁打で存在感を見せている。

堂林翔太と梶谷隆幸が復活の狼煙

広島では堂林翔太が復活を遂げた。プロ3年目の2012年に全試合に出場し、将来の主軸候補として華々しくデビューしたが、その後は低迷。昨シーズンも28試合の出場にとどまっていた。

しかし、今シーズンは開幕から安打を量産し、一時は首位打者争いに加わっていたほど。少し数字は落ち着いてきたが、ここまで78安打、13本塁打を記録。キャリアハイとなっているデビュー年の118安打、14本塁打を更新しそうだ。

8月下旬に国内FA権を取得したDeNAの梶谷隆幸も躍動している。ここ数年は故障もあり一軍で戦力となれなかったが、今シーズンは「1番・中堅」としてチームを引っ張っている。

打率3割超えもさることながら、14本塁打は2017年の21本塁打を超えそうな勢いだ。本塁打だけではない。ここまで22二塁打を記録しており、35二塁打(2015年)の更新も見えている。梶谷は今シーズン32歳と、成績が下降線に入ってもおかしくはないが、さらに進化している感がある。

また、現在11盗塁とキャリアハイの39盗塁(2014年)を更新するのはむずかしいが、自身初となる打率3割、20本塁打、20盗塁も不可能ではなさそうだ。

パ・リーグでは中田翔と栗山巧がキャリアハイに迫る勢い

パ・リーグに目を向けると、現在はBクラスながら主軸としてチームを引っ張る2人がキャリアハイを更新しそうだ。

日本ハムの中田翔がそのひとり。本人がシーズン前に語っていたとおり、まさに「レベチ」(レベルが違うの意)な活躍を見せている。

ここまで25本塁打、82打点はともにリーグトップ。30本塁打(2015年)、110打点(2016年)のキャリアハイを超えてきそう。その他の数字を見ると42四球、9犠飛もそれぞれ64四球(2015年)、13犠飛(2018年)の更新も見えている。今年の中田は本塁打を打つだけではなく、状況によっては四球を選び、犠飛も放つことが例年以上にできているようだ。

今シーズンがプロ19年目となる西武のベテラン栗山巧も衰えるどころか、キャリアハイの成績を残そうとしている。

打率.285(245打数70安打)と自身4度目となる打率3割も射程圏内。さらにはキャリアハイの12本塁打(2009年・2013年)に迫る10本塁打を放っている。ここまでの長打率.459、OPS.842はキャリア最高。青木や坂口と同様に、巧打者がパワーをつけた形で自身最高の成績を残そうとしている。

このように試合数が23試合も減少しながら、本塁打や打点といった積み上げ型の成績でキャリアハイを残すことができそうな選手が多くいる。とはいえ、野球界では、「打撃は水物」と古くから言われている。シーズン最後の最後まで気を抜くことはできない。各選手たちの成績を追いかけていきたい。

※数字は2020年9月20日終了時点

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