柴崎岳、岡崎慎司、香川真司が移籍したスペイン2部「セグンダ」とは

柴崎岳、岡崎慎司、香川真司が移籍したスペイン2部「セグンダ」とは

今夏、日本代表が続々移籍

この夏の移籍市場では、日本人選手のスペイン移籍が話題となった。それもプリメーラ(1部)だけでなく、セグンダ(2部)にも大きな注目が寄せられている。

柴崎岳(ヘタフェ→デポルティーボ・ラ・コルーニャ)、岡崎慎司(レスター・シティ→マラガ)、そして香川真司(ボルシア・ドルトムント→レアル・サラゴサ)と、日本代表でもおなじみの選手たちが相次いでセグンダのチームに加入したためだ。プリメーラはバルサやマドリー、アトレティコ・マドリーという世界トップクラスの3クラブがリードする構図が明白だが、セグンダはどのようなリーグなのか。

セグンダ表ⒸSPAIA

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2019-20シーズンのセグンダは上記の22チームがプレーする。リーグはプリメーラ経験のある古豪と、躍進を重ねた中小規模クラブで構成されている。勢力関係は、基本的にはプリメーラから降格した3クラブと昨季にプレーオフに進出したクラブによる上位争いの構図となる。19-20シーズンであればジローナ、ウエスカ、ラージョ、そして昨季プレーオフ進出を果たしたマラガ、アルバセテ、デポルティーボだ。

降格組はいずれもエレベータークラブ(毎シーズン昇降格を繰り返すか、その圏内をただようクラブ)のため、セグンダのスケジュールに苦戦するということはないだろう。ただし、多くの他リーグと同様、プリメーラとセグンダでは収入規模が大きく変わるため、昨季と同様の戦力を維持するのは難しい。この点では昇格プレーオフに進んだクラブのほうが、経済環境の大きな変動に悩まされずに戦えるアドバンテージがある。

収容1万人以下の小規模スタジアムが多い

プリメーラとは戦う環境も違う。ドルトムントやレスターとは異なり、小規模スタジアムが多く、ウエスカは収容人数7000人台、アルコルコンは5000人台だ。改修により客席を増設するスタジアムも多いが、22クラブ中8クラブが収容人数1万人以下となっている。

日本の3人が入団したクラブはいずれも収容人数3万人クラスのスタジアムを持ち、プリメーラのクラブに負けないプレー環境を持つ。ホームでは大きな声援がアドバンテージになり得るが、小さなスタジアムではピッチのそばから寄せられる相手サポーターからの声がプレッシャーとなる。

余談だが、今季クラブ史上初めてセグンダを戦うフエンラブラダは、首都マドリード近郊にある小さなクラブだ。小さなホームスタジアムの名前はなんと「エスタディオ・フェルナンド・トーレス」。J1サガン鳥栖でもプレーした元スペイン代表トーレスがこの町の出身ということで、2011年の新設時に彼の名前が付けられた。なお彼はフエンラブラダでのプレー経験はない。

昨季3位のマラガは経営状態悪化

3人が加入したクラブの立ち位置を見てみよう。まず岡崎が移籍したマラガは、スペイン南部アンダルシア州に位置する。11シーズンぶりに2部降格の憂き目にあったマラガは、1シーズンでのプリメーラ昇格を目指していた。シーズンを通して自動昇格圏を争ったものの3位でプレーオフに回り、あえなく昇格を逃した。序盤は首位を争い、後半もプレーオフ圏内をキープできていたことを考えれば、今季も昇格候補と言える。

ただしクラブはいま大きなトラブルを抱えている。給与未払いなどで資金繰りが悪化しているにもかかわらず、カタール王族のオーナー、アル・タニが選手売却を許可せず、立て直しが進んでいないのだ。岡崎をフリーで獲得したものの、ジョニーやリッカといった主力が退団、ミゲル・トーレスは引退し、チームとして戦力アップしたとはいえない。現状では上位争いを続けられるかは不透明だ。

何らかの形で事態の改善が見られなければ、最悪の場合リーグからの排除と強制降格となる可能性すらある。18-19シーズンのレウスはその前例だ。レウスは給与未払い問題が解決されなかったため、シーズン後半戦の21試合がすべて没収試合で0-1の敗戦という扱いとなり、4部相当のテルセーラへの降格となった。

スペイン「マルカ」紙のインタビューで辞任する考えはないと述べたアル・タニ。選手たちがサッカーに専念するためにも、経営問題の早期解決が求められる。

デポルティーボは新たなエース発掘が鍵

柴崎が移籍したのはスペイン北西部ガリシア州の古豪デポルティーボ。マラガと同じく17-18シーズンにセグンダに降格が決まった。昨季はシーズンを通して昇格プレーオフ圏内に入り続け、昇格プレーオフではマラガを下して決勝進出。プリメーラまであと一歩のところまで迫った。

今季の懸念は得点力。リーグ得点ランク2位だったチーム得点王キケ・ゴンサレス(16得点)がエイバルに移籍したためだ。チーム全体(49ゴール)の3割以上を決めていたキケの離脱で、決定力に不安が残る。

ただ、アシスト源であるフェデ・カルタビア(昨季8アシスト)はチームに残っており、そこに柴崎が加入したことで、攻撃のリズムを生み出す環境は整っている。あとはレンタルで獲得したアタッカー、ママドゥ・コネやディエゴ・ロランが新たなエースストライカーとなれるかがカギだ。

サラゴサは低迷続き、ファンの熱狂を力にできるか

念願のスペイン移籍を果たした香川が選んだのは北西部アラゴン州の古豪サラゴサ。13-14シーズンからセグンダにおり、昨シーズンは15位と下位に沈んだ。

サラゴサの課題は守備だ。昨季は51失点を喫したが、プレーオフ圏内に食い込むには30失点台にまで抑えたいところ。香川の加入で攻撃の活性化を期待しつつ、守備の改善のためにピチュやビガライといった即戦力DFを獲得した。

ふがいない数シーズンを送るサラゴサだが、それでもスタジアムには多くのファンが駆けつける。スタジアムの収容人数の問題はあるが、昨シーズン平均観客動員数が2万人を超えたのは22クラブで唯一サラゴサだけだ。プリメーラでも平均観客数2万人を超えたのは20クラブ中8クラブだけであり、サラゴサに熱狂的なファンが多いことがうかがえる。彼らの応援に応える快進撃が見られるか。

高い技術と戦術理解が求められるのはプリメーラと同様だ。ただし若い選手が多いためか、やや粗削りなプレーが多いこと、そしてより縦へ仕掛ける意識が強い傾向がある。柴崎、岡崎、香川ともこれらの点に大きな不安はない。経験をチームにもたらし、悲願のプリメーラ復帰に導く働きを期待される、3人の新たな挑戦に注目だ。


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