ラグビー日本代表の更なる飛躍へスタイルの確立を

次のW杯では地の利はない、さらなる進化を
日本開催となった2019年ラグビーワールドカップ。日本代表は、プールAでロシアを30–10、アイルランドを19–12、サモアを38–19、スコットランドを28–21と下し、何と1位で決勝トーナメントに進出した。
そこで対戦した南アフリカは、イングランドで開催された2015年W杯の予選プールで、日本が34–32と大金星を挙げた縁深い相手だ。日本は全勝、対する南アは1敗でベスト8に上がってきたが、大会直前のテストマッチで惨敗していたこともあり、日本は連勝の勢いとともに一切の油断なく臨んだはずだった。結果は、前大会の完全な雪辱を期す南アにフィジカルで押し込まれノートライで3–26と敗退した。
未知の領域となる準々決勝での勝利はならなかったが、ブレイブ・ブロッサムズは、目標に挙げていた史上初のベスト8進出を果たし、日本列島を大いに盛り上げた。
ラグビーは番狂わせが少ないと言われる。1チーム15人という参加人数の多さから、サッカーのように一人で抜け出して得点を決めるようなプレーは難しく、ボールより前でプレーできないというルールにより、その性質は陣取りゲームと呼ぶことが相応しい。
陣地を押し上げていくというプレーが基本となるため、まぐれが少なく、フィジカルと練度の差が実力差としてそのままスコアに反映されてしまうからだ。今大会、日本がプール全勝したのは、実力がついたということだ。
しかし、2019年日本W杯には、ホームアドバンテージがあったことを差し引いて考えなければいけない。地元の大きな声援、日本の得意とする早い展開をしやすい硬いフィールド、序盤では他国を苦しめる高温多湿の気候といったものが有利に働いた。
今後、日本の歩みが止まらないことを祈って、あえて警鐘を鳴らしたい。
2015年の南ア戦は魔法ではなく上昇の始まりだった
「2015年W杯の日本躍進はエディー・ジョーンズという一人の傑出した指導者がかけた魔法だったのではないか」
そんな疑念がずっと頭の片隅にあった。
長いラグビーの歴史の中で世界と対等に戦える日本代表という存在はないに等しかった。結局、ラグビーは体が大きい選手が勝つスポーツで、日本には無理だろう。そう思ってしまう時も度々あった。
2015年W杯後、次第に勝てなくなっていったジャパン。トップリーグの観客席もW杯直後は賑わったが、徐々に客足は遠のいていった。予想を裏切ってほしかったが、やはりそうだったか。多くの人々にとってお祭りゴトに過ぎず、根付かせることが出来なかった。そう思った。
しかし、2019年ワールドカップ日本大会で、その認識は覆された。停滞していた様に見えたのは、実は、幼虫がさなぎになっていた途中だったのだ。表からは目立った動きはわからないが、殻の中では成体へと成長を続け本番で見事に蝶になって羽ばたいた。
実力を証明した2019年W杯
2015年W杯で見せた、安易にボールを蹴ることなく確実に、そして高速につないでいくスタイルは、日本にあっていると思われた。俊敏性とフィットネスを活かして、ボールを展開し、必要以上のフィジカルコンタクトは避ける。規律を重んじるチームの一つの型を作り上げた。
これが、代々の日本代表の基本的な形になるだろう。そう思っていた矢先、新たに日本代表HC(ヘッドコーチ)に就任したジェイミー・ジョセフは、スタイルをがらりと変え、ひと味もふた味も異なるラグビーを行おうとした。
2015年の時と大きな違いは、キックとオフロードパスの多用だ。キックを使えば、味方のラインを押し上げつつ相手の陣形を崩せるが、当然相手にボールが渡りやすい。
オフロードパスは、相手にタックルされた、極めて不安定な状態で、ボールをリリースする、諸刃の剣だ。各選手に相当な技量がないと、使いこなすのは難しい。これだけ相手を引き寄せているのだから、他にスペースが空く可能性はある。しかし、足腰に強烈な衝撃を受けながら、瞬時に味方の位置を見定めて、正確にボールを届けるのは、見ている以上に難しい技術とセンスが求められる。
キックもオフロードパスも、ボールを失うリスクをはらんだプレーだ。世界を舞台にして、日本に使いこなすことが出来るだろうか。ジョセフHCは、ニュージーランドの出身で、オールブラックスとしても活躍した。あの変幻自在なラグビーが最強であるという揺るぎない信念があったのだろう。一旦は勝てなくなったものの、本番には見事に仕上げて大国と互角以上の戦いを見せた。
日本ラグビーとは何か
強豪国を見渡すと、それぞれ強みや特徴的なスタイルがある。南アのフィジカルを生かしたプレーや、オールブラックスのアンストラクチャー(陣形が整っていない)での自由自在な攻撃、次々とパスを回していくフランスのシャンパン・ラグビーなどだ。
日本に適したラグビーは、度々模索されてきた。外国籍選手を積極的に招集し、大型化・脱日本を図ることもあった。
今後、世界に太刀打ちし、目の肥えた海外のファンを唸らせるには、日本ラグビーのスタイルやカラーというものを確立し突き詰めていくことも重要になってくるだろう。
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