クラブW杯とトヨタカップをつぶさに観察

1981年と2019年に38年を経て相対峙したリヴァプールFC(リヴァプール)とCRフラメンゴ(フラメンゴ)。この2試合を比較すると、その間にどれだけサッカーが変化したかが見えてくる。まずは、試合内容をおさらいしてみよう。

クラブW杯は欧州王者が優勝

2019年12月21日、カタール・ドーハでFIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)決勝に進出したのは、やはり欧州代表のリヴァプールと南米のフラメンゴだった。

試合終盤にリヴァプールが攻勢を強め、フィルミーノが後半にゴールポストを叩くシュートを放つも、得点はならず。仕切り直して延長戦では、フラメンゴも立て直すが、最後は延長戦前半9分にカウンターアタックからフィルミーノが1点を決め、リヴァプールが接戦を制した。

これまで欧州王者に6度輝いたイングランドの名門としては意外だが、リヴァプールにとって今回が初の世界制覇だ。大会最優秀選手には、リヴァプールのエジプト代表FWモハメド・サラーが選出された。

1981年トヨタカップで来日

実はこの2チーム、クラブW杯の前身であるインターコンチネンタルカップ、別名トヨタカップでも対戦していた。

1981年12月13日に舞台となった東京・国立競技場に見参したリヴァプールとフラメンゴは、共に初出場。リヴァプールは、欧州チャンピオンズカップで、レアル・マドリーを倒しての出場だった。フラメンゴは、コパ・リベルタドーレスも初出場で優勝を収めていた。

試合では、ヌネスの2得点とアジーリョの1得点すべてをジーコがお膳立て。3-0でフラメンゴが快勝し、最優秀選手にはジーコが輝いた。

1点目はジーコが中盤深い所から相手DFの裏にスルーパスを出し、左サイドから走り込んだヌネスがゴールに突き刺し先制。2点目はゴール正面からのFKをジーコが蹴り、ゴールキーパー(GK)が弾いたところをアジーリョが詰めた。3点目はジーコが右足アウトサイドで出したスルーパスに、ヌネスが今度は右サイドから反応し、右足でファーサイドに決めた。

リヴァプールは縦に速い攻撃を仕掛けるも、全体的にフラメンゴが試合を巧みにコントロールして優勢に進め、追い上げを許さなかった。

Jリーグが開幕する10年以上前のこの時代、日本では冬は芝が枯れていた。観衆はラッパを吹きながらサッカーを観ており、国立の選手ベンチには屋根もついておらず椅子が置いてあるだけ。試合終了後に、記者がカセットテープでインタビューを録音している光景はなんとも懐かしく、その時代を雄弁に物語る。

欧州と南米も変わったが、日本のサッカーシーンも大きく変わったのだ。

時を経ても変わらぬ両軍の姿勢

1981年と2019年の対戦では悪質なファールや時間稼ぎはほとんど見られず、両軍ともに正々堂々と戦うチームであることに変わりはなかった。

近年は南米のクラブが守勢に回ることもみられるが、以前と同様、非常に勇猛果敢であった2019年のフラメンゴ。攻撃的なのは今も昔も変わらない。

一方、イングランドのリヴァプールも縦に速いサッカーは変わっておらず、「エンド・トゥ・エンド」といわれる両チームのゴール前に激しく攻め込んでいく非常にエキサイティングなサッカーを展開した。

両軍は世界一決定戦にふさわしいチームと言えるだろう。双方の持つ普遍的な価値観を確認できる一方で、試合運営、ルール、両軍の陣容、戦法、技術といった多くのことに変化がみられた。

(次回へ続く)