スーパー種牡馬ディープインパクト

2002年生まれからは三冠馬ディープインパクトが誕生。現役時代の勝ち鞍は2000〜3200m。スピードもスタミナも切れ味も兼備していた馬だが、個人的には母の父Alzaoより祖母の父Bustedが効いていて、本質はステイヤーだったのではと思っている。

ただ産駒となると、最も得意な部門はマイルのように思う。これまで5頭のダービー馬、そして3頭の菊花賞馬を輩出。これが「スーパー種牡馬」たる所以である。

種牡馬として、最もサンデーサイレンスと違う点はダート適性の差。サンデーは父系の能力と同時に母系の引きよさも出す種牡馬だったが、ディープの場合は自身の特徴、すなわち「軽いスピード」と「切れ」が優先的に伝わっている。母系に関係なく、ほとんどの産駒が短距離馬だったサクラバシンオーと同じ「父系優勢」タイプの種牡馬なのだろう。

万能性という点では、フジキセキやマンハッタンカフェにはかなわない。しかし、これまで国内外で生み出したGI馬の数は何と47頭。サンデーサイレンスはGI級が44頭だから、単純にその数だけでいえば父を抜いたことになる。まだ未勝利のスプリントGIを勝てるかどうか、残された産駒に期待がかかる。

同じ2002年からはスズカフェニックスが高松宮記念を制している。種牡馬としてもNHKマイルCを勝ったマイネルホウオウを輩出し、産駒にスピードを伝えていた。

偉大なるサンデーサイレンスの系譜 2002〜2003産 インフォグラフィックⒸSPAIA

2003年は仕上がり早で平坦向き

そして2003年がラストクロップ。最後に出した大物はマツリダゴッホ。条件戦を3つ勝った叩き上げの馬で、有馬記念を含む重賞6勝が全て中山というコース巧者でも有名だった。

ところが、産駒はどちらかといえば仕上がり早で平坦向き。おまけに、中山での重賞勝ちは1つもない。マツリダゴッホの母の父が早熟傾向で平坦向きのボールドルーラー系なので、血統通りの産駒が出ているということかもしれない。

ノーザンテーストもブライアンズタイムも、種牡馬生活の晩年には衰えからくるのか、芝よりダートの活躍馬が増えていった。しかし、サンデーサイレンスはその傾向が見られなかったことからも、まだまだ活躍馬を出せていたはずだ。そう考えると惜しいが、幸い後継種牡馬には恵まれている。すでに孫、ひ孫まで枝が延びていることが「サンデーサイレンス系」が完全に確立された証明だろう。