琉球・牧、世代屈指の万能性を発揮

今シーズンよりNBAワシントン・ウィザーズに加入した#8八村塁。日本人のNBA選手としては規格外の成績を次々と記録し、もはや彼の活躍は当たり前になってきた。リーグ全体でも若手のホープとして期待され、順調に成長すればオールスター出場も夢ではない。

そんな八村と同期の選手たち(ここでは“八村世代”と呼ぶ)は非常に個性豊かだ。アンダーカテゴリーから世界大会を経験し、今年の3月に大学卒業見込みでBリーグ入りしている選手は多い。昨季は3年生ながら8名が特別指定選手としてBリーグ入りしたが、今季は本契約を含めてB1で20人、B2で15人の計35人。さらに今季はB3にも選手が流れ、留学実績枠を入れると6名がこの3月に大学を卒業した選手だ。

この数字はここ数年の中で最も多く、近い将来彼らがBリーグと日本代表を引っ張ると言っても過言ではない。

12月に行われたインカレ以降にB1クラブに合流した選手のうち、すでにある程度のプレータイムが与えられているのはまだ少ない。チームに合流して2、3か月ということを考えると当然ではあるが、その中でも活躍を見せている選手を紹介する。

ここまで18試合中10試合でスタメン出場を果たしている琉球ゴールデンキングス#88牧隼利。元々攻守のバランスが取れたオールラウンダーで、外国籍選手にも当たり負けないフィジカルの強さやIQの高さも持ち合わせ、下級生時からBリーグ入りしてもおかしくなかった選手だ。学生時代の実績は申し分なく、八村とともにU17世界選手権を経験し、大学4年時にはキャプテンとして筑波大をインカレ優勝に導いた。

1月末からその実力を存分に発揮し、スタメン出場した10試合で25分近い出場時間を与えられて3.4得点、2.0リバウンド、0.8スティールを記録。特筆した数字ではないものの、出場時間の長さが牧の存在の大きさを物語っている。チームで最も手薄だったポジションなだけに、今後も重宝されることは間違いない。

CS出場を目指す大阪と京都は即戦力ガードを獲得

バスケットのポジションのうち、ガードは経験を要するポジションであるがゆえに、若手選手が一人前になるまで数年かかるケースが多い。実際、川崎ブレイブサンダース#7篠山竜青やレバンガ北海道#0橋本竜馬など、ベテラン選手ですらルーキーシーズンは先輩ガードの陰に隠れていた。

その定説を覆しているのが大阪エヴェッサ#13中村浩陸と、京都ハンナリーズ#0寺嶋良である。大阪に入団した中村は決してエリート街道を歩んできたわけではない。加えて中部大第一高時代はSGで、本格的にPGに転向したのは大東文化大に入ってからだ。そのため、経験という意味では他の選手に劣る部分が多い。

しかしSGを長くやっていたことから得点力に長けており、様々な手段を用いて得点を挙げることが可能。外国籍選手の得点力が高い大阪において、6.6得点は及第点だろう。またゲームメイク力も徐々に付き、2月以降は平均4本のアシストを記録している。司令塔#2伊藤達哉が負傷していたチームにとっては嬉しい誤算だ。

一方、京都の寺嶋は中学校時代からPGを務めていた。だが、これまでは2ガード起用が多かった分、一人前のPGになるには時間がかかると思われていた。そんな寺嶋にとって幸運だったのが、“ポイントフォワード”の#32ジュリアン・マブンガがチームメイトだったこと。アシストがうまく、ゲームメイクもできる外国籍選手がいることで、寺嶋の高い得点力を発揮できる環境があった。

1月以降徐々にプレータイムを伸ばした寺嶋は、2月16日の富山グラウジーズ戦で20得点を記録。その試合も含め9試合で2桁得点を挙げ、ここまで平均9.1得点としている。2月以降だけを見れば11.6得点と、ここからさらに数字を伸ばしてくる可能性が高い。

京都には同い年ながらいち早くBリーグ入りした#6中村太地が所属しているが、コントロールタイプの中村とは違い寺嶋はスラッシャータイプ。タイプの違う同い年のガードコンビが切磋琢磨し、クラブを引っ張っていくだろう。

ハードワークが光るシェーファーアヴィ幸樹

特別指定選手ではないものの、八村に次ぐ出世株として期待されているのが、滋賀レイクスターズの#6シェーファーアヴィ幸樹だ。シェーファーは競技開始が高校からという異色の経歴ながら、日本代表での活躍が認められ強豪のジョージア工科大に入学。現在は休学し、国内に戻って来ているが、昨年はワールドカップの日本代表にも選出された。

バスケット歴が短いことからまだまだ荒削りではあるものの、206cmの上背と常にハードワークする姿勢が魅力だ。今季は試合経験を積むために滋賀に移籍をすると、出場時間を10分以上伸ばし滋賀の主力に。リバウンド平均4.5本は帰化選手と特別指定選手を除く日本人選手の中で5番目に多く、ゴール下の奮闘が光る。

将来的には日本代表で八村とインサイドでコンビを組む可能性もあり、竹内兄弟以降なかなか出てこなかった和製ビッグマンとして期待が高い。