飲酒は体型を変える?

一般の社会生活を送る上でも、スポーツに懸命に取り組むアスリートにとっても飲酒に対しては健康面でマイナスなイメージを持たれる方が多いのではないだろうか。

飲酒は、判断力・記憶力の低下や二日酔いのみならず体型に対しても様々なデメリットを与える。宴会シーズンなどに、ついお酒を飲み過ぎて太ってしまった経験がある方も多いだろう。

スポーツの世界で真剣勝負するアスリートにとって身体は資本であり、体型の崩れは競技成績に負の影響を与えてしまう。

しかしながら、飲酒によるアルコール摂取がなぜそれほどまでに体型に影響をもたらしているのだろうか。

アスリートのみならず、普段お酒を多く摂取している人にとってもお酒が体型に与える影響を理解し、健康的な生活を送れるようになってもらいたい。

お酒で太る原因は糖質とレプチンの減少

お酒を摂取すると太りやすくなるといわれるのはなぜだろう。その原因は、主にお酒に含まれる糖質とアルコールがもたらす体内のレプチンの減量にある。

お酒には、アルコールの他に糖質が含まれる。お酒の種類にもよるが100mlあたり40〜240キロカロリーが含まれる。

100mlあたりのお酒のカロリー

500mlの瓶ビールを一本飲むだけで、およそ200キロカロリーを摂取することになる。それを3瓶も4瓶も飲めば、飲酒だけでもかなりのカロリーを摂取することになる。

また、飲酒によるカロリー摂取のみならず、飲酒は体内のレプチンと呼ばれるホルモンにも作用し分泌を抑える働きがある。レプチンは、食欲を抑える働きのあるホルモンであり、このホルモンが減少すると食欲が増進し食事の摂取量が増える傾向にある。

ただでさえ、お酒摂取によるカロリーが多い中で食欲も増進し、食事やおつまみまで食べてしまえばカロリーの過剰摂取によって更なる脂肪の蓄積につながる。お酒を飲むと太るとよばれるのは、これらの原因がある。

飲酒はテストステロンを抑制し筋肉の発達も阻害

さらに、お酒は筋肉の発達も阻害する。筋トレを行ったあとに筋肉を合成する際、テストステロンと呼ばれるホルモンが必要になる。

しかし、お酒を飲むことによって、筋肉の発達に必要なテストステロンの分泌を阻害してしまい、せっかく筋トレを行っても筋肉がつきにくい体になるのである。アスリートにとって筋肉は体を動かす原動力になる。その筋肉が上手く発達できなければ、当然スポーツパフォーマンスにも影響を及ぼす。

加えて、飲酒はコルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌させる。コルチゾールは筋肉を分解しエネルギーを作り出してしまうため、筋肉量を低下させてしまう可能性もあるのである。

筋肉量が減少すれば当然、基礎代謝が落ちてしまい、消費カロリーが少なくなる。日常生活を送る中でもこのことはさらなる肥満の影響につながる。筋肉量が必要で脂肪が不要なアスリートにとって、体作りの面で飲酒はかなりのデメリットをもたらすのである。

アスリートはお酒を飲まないことがベスト

スポーツに真剣に取り組むアスリートにとって、お酒は体作りやパフォーマンス発揮の面でマイナスになる。

ボクシングのトップ選手である井上尚弥も現役中はお酒を飲むつもりがないと断言しており、各スポーツのトップレベルの選手はお酒を上手くコントロールして成功を収めている。これからスポーツの世界で大きな活躍をしたい人や現在プロスポーツ選手として活躍する人は飲酒が体に与える影響を理解することが重要だ。

また、アスリートでなくとも一般の方や健康のために体を動かすトレーニーにとっても飲酒による影響を考えて生活を送ることは大切になってくる。理想の体に少しでも近づくために、まずは自分に打ち勝つことが必要だ。

《ライタープロフィール》
近藤広貴
高校時代にボクシングを始め、全国高校総体3位、東農大時代に全日本選手権3位などの成績を残す。競技引退後は早稲田大学大学院にてスポーツ科学を学ぶ。現在は母校の教員としてボクシング部の指導やスポーツに関する研究を行う傍ら、執筆活動を行っている。

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