1か月で19勝を積み重ねる

四位騎手の引退、そして秋山稔騎手、小林脩騎手、原騎手、泉谷騎手の4人の新人騎手がデビューと「出会いと別れ」から始まり、コロナウイルスの感染拡大防止の観点から無観客競馬となった2回中山、2回阪神の両開催が終了した。そこで今開催で活躍した騎手はどの騎手だったのか、3月22日の開催終了時点でのリーディング、各競馬場の開催リーディングを振り返ってみた。

全体リーディングトップ5は先月と変わらず、1位が川田騎手トップ。以下、ルメール騎手、武豊騎手、マーフィー騎手、松山騎手という順位となっている。前開催が終わった時点では37勝だったが、今開催では19勝を積み重ねて56勝まで勝ち星を伸ばした。2位のルメール騎手と武豊騎手は海外遠征で不在にした週もあり、加えた勝利数は9勝に止まっている。

5位の松山騎手も6勝を積み重ねたが、すでに帰国しているマーフィー騎手の27勝を追い抜くことはできず、まずまず上位3人との勝ち星の差が広がりを見せている。

獲得賞金ランキングでは、先月の時点はルメール騎手がわずかの差でトップだったが、今開催を終えた段階では川田騎手が逆転。川田騎手が9億1,232万7,000円、ルメール騎手は8億2,782万5,000円と差が広がっており、川田騎手の勝利数、賞金ともに川田騎手の独走状態となりつつある。

また川田騎手は2020年が始まって約3か月が経ったが、「平均着順」が3.9位。ルメール騎手が4.3、武豊騎手が5.2なので4を切っているのはすばらしいことである。

うれしいニュースが相次いだ中山開催

続いて開催ごとのリーディングを見ていくと中山開催は、開催3日目となった3月7日から短期免許での騎乗を開始した南アフリカの新星、ヒューイットソン騎手が8勝を挙げて開催リーディングに輝いた。先週の日曜日に行われたスプリングSでは、6番人気のガロアクリークに騎乗し、重賞初勝利をマークしている。

そんなヒューイットソン騎手だが、8勝の内訳を見てみると芝が3勝、ダートが5勝とダートで好成績を残している。初来日の騎手はダートのレースを苦手とする傾向にある中で、勝率22.7%、連対率と複勝率50.0%という成績は素晴らしいものだと言える。短期免許は5月4日までとなっているので、更なる活躍が期待できそうだ。

その他では、落馬負傷で2か月休養していた三浦騎手が7勝と存在感を発揮した。戸崎騎手など関東では戦線離脱している騎手が多いだけに、ファンだけでなく厩舎関係者にとっても、三浦騎手の復帰は大きかったに違いない。

また3月20日に行われたフラワーCでは、12番人気のアブレイズに騎乗した藤井騎手がJRAの重賞初制覇を達成。オーストラリアをはじめ、海外で経験を積んでJRAに移籍してきた苦労人なだけに、テレビの前で祝福したファンも多かったのではないだろうか。

全盛期をほうふつとさせる岩田康騎手のイン差し

阪神開催では、15勝をマークした川田騎手が開催リーディングを獲得。勝率33.3%は9勝を挙げて2位だった福永騎手の21.4%と比較しても抜けた数字となっており、質の高い騎乗馬で堅実な騎乗していたことが見てとれる。しかし、オープン以上のレースでは7回騎乗して、1勝のみ。ここからGⅠが続くだけにオープン以上でも結果を出してくれることを期待したい。

3位は7勝を挙げた武豊騎手。阪神競馬場では5日間の騎乗だったが、3月20日を除いた4日間で勝利を挙げており、複勝率は40.5%と今月も安定した活躍が光った。

しかし今開催でインパクトが強かったのは同じく7勝を挙げた岩田康騎手だろう。3月15日に行われたフィリーズレビュー、3月22日に行われた阪神大賞典を勝利し、重賞2勝の活躍。いずれも得意とするイン差しの競馬で、全盛期の騎乗をほうふつとさせるものだっただけに、今後の重賞戦線でも活躍に期待したい。

そして最後にもう一人、新人の泉谷楓真騎手についても取り上げておきたい。デビュー戦となった3月1日の3歳未勝利戦では果敢に逃げの手に出るとそのまま押し切り、初騎乗初勝利をマーク。その後3月15日には淡路特別で特別レースの勝利を挙げるなど、4勝の活躍を見せている。

その裏には所属厩舎の本田調教師やエージェントの豊沢氏のサポートなどもあるが、4勝全てが5番人気以下と人気のない馬での勝利となっており、確かな騎乗技術を持ちわせていることが伺える。長い腕を生かした当たりの柔らかいフォームを武器に、活躍すること間違いなし。引き続き注目していきたい存在だ。

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