故障が癒え、本領発揮したい小笠原と高橋

昨秋、明治大からドラフト1位でプロ入りを果たした森下暢仁(広島)は、1997年生まれの世代にあたる。同世代で高卒ドラフト1位でプロ入りを果たしたのはオコエ瑠偉(楽天)、平沢大河(ロッテ)、小笠原慎之介(中日)、高橋純平(ソフトバンク)の4名だ。プロ入り時には大きな期待を受けてきた彼らだが、まだチームの主力にはなりきれていない。そんな彼らの現在地を見ていきたい。

まずは投手の二人から見ていこう。高校3年時、見事に夏の甲子園で全国制覇を成し遂げたのが、小笠原慎之介率いる東海大相模だった。小笠原はプロ入り後、1年目から15試合に登板し初勝利もあげるなど、順調な滑り出しを見せる。

しかし、開幕投手も務めた3年目の2018年9月に、左肘遊離軟骨の除去手術を受け、2019年は7試合の登板にとどまった。ここまでの4年間で15勝という数字に、本人も満足はしていないだろう。傷も癒え、勝負の年となる今季はローテーション投手としての期待がかかる。

県岐阜商時代の3年時、春の選抜に出場した高橋純平。この大会で好投を見せ、一躍高校No.1右腕と評されるようになった高橋だったが、夏の大会直前に重度の肉離れに見舞われる。このときの傷があとを引き、プロ入り後もその影響を引きずることとなる。

1年目の秋にようやく完治し、2019年には自己最多の45試合に登板。今春オープン戦でも、3試合で防御率2.25と結果を残している。巨大戦力を誇るソフトバンクだが、今春はけが人が続出するなど苦しい状況だ。この機を逃さずに一軍定着を果たし、飛躍の1年とできるか。

試合に出てはいるが、スタメンに定着できていないオコエと平沢

続いて野手を見ていこう。関東一で3年夏から評価を急上昇させたのがオコエ瑠偉だ。東東京大会決勝でセンター前二塁打、その後の選手権大会では一塁強襲二塁打を放つなど、その強打と俊足で注目を浴びた。

プロ入り後は1年目から一軍の試合に出場し、通算188試合、4年連続で本塁打も放ってはいるが、1年目から大きく成績を上げられずにいる。持っているポテンシャルは間違いなく一級品なだけに、やや物足りない印象だ。今季こそは持ち前の身体能力を活かし、年間通して試合に出続けたいところだ。

仙台育英では郡司裕也(現・中日)、佐藤世那(現・横浜球友クラブ)らとともに夏の甲子園準優勝に輝いた平沢大河。高校最後の試合、チームは東海大相模に敗れたものの、平沢自身は相手エースの小笠原に対し4打数2安打だった。

プロ入り後は1年目から一軍で起用され、3年目には112試合に出場するなど順調に出場数を伸ばす。しかし4年目の2019年は51試合と大きく数字を落としてしまった。

今春、チーム内では同じ高卒ドラフト1位の安田尚憲や藤原恭大などがアピールを続けているが、平沢は右肘痛のため出遅れ、オープン戦出場もなかった。これまではチーム事情もあり三塁、外野などでの出場もあったが、やはり本職の遊撃で躍動している姿を見たいところ。まずは故障をしっかり治し、井口資仁監督にアピールしていきたい。

唯一の大卒ドラ1・森下暢仁は世代No.1になれるか

昨年のプロ野球ドラフト会議で、大学No.1投手として広島東洋カープにドラフト1位で入団したのが森下だ。春季キャンプを一軍でスタートすると、見事に完走。オープン戦でも好投し、開幕ローテーション入りを手中にしていた。しかし、コロナウィルスの感染拡大を受けて開幕が延期したことにより、開幕ローテーション入りはお預けに。

だが、本来の登板予定だった開幕3戦目と同日の22日、中日との練習試合に先発して6回2失点と好投を見せた。難しい状況だが、好調をキープしているようだ。今季はローテーションを守り、新人王、二桁勝利を期待したい。大学No.1投手から、世代No.1投手へと進化を遂げることができるか。

上記の5名の他に、来年秋には大卒社会人組がプロの世界に入ってくる。東芝の154キロ右腕・北山比呂(日体大)のように指名漏れを経験した選手や、「社会人からプロを目指す」と語るJR東日本の杉崎成輝(東海大)など有望選手も多い。この他にも社会人で実力を伸ばし、一躍1位候補へと成長する選手もいるかもしれない。

彼らがプロ入りするとき、97世代ドラ1組の評価がどうなっているのか。できることならば、ここで取り上げた5名全員がチームの主力となっていることを期待したい。