第93回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が11日、都内で行われ、昨年10月に死去したイラストレーターの和田誠さん(享年83)が特別賞を受賞した。亡き夫に代わり、料理愛好家でタレントの平野レミ(72)が出席。トロフィーを手に「本当に和田さん良かったね。お父さん、頂きましたよ」と天を仰ぎながらあいさつした。

 映画のイベントについては「いや、もう場違いで。私、こういう所でしゃべったことないので。レミパンあって、前掛けして帽子被って料理ばっかりやっているもんですから。こういう所は初めて。さっぱり分かんなくて」と苦笑い。「たぶん、うちの夫は天国から『レミがこんな所にいる。何だよ』ってビックリしていると思うんですけど」と不慣れを強調した。

 また、「今から4カ月くらい前に死んじゃったんですけどね。もうちょっと長く生きていれば4カ月後に今日ね、こういう賞を頂ければ最高だったと思うんですけど」と夫の気持ちを代弁した。

 和田さんについては「ただただ、うちの夫は映画が好きで。大好きで。(私にとって)映画がライバルだったんですね。また見てる。また今日も見てる。会社から帰ってくると映画ばっかり見て」と家庭での様子を紹介。「(私が午前)10時頃までずっと寝てると『はい、お母さん、お茶ですよ』って。『起きろ』とは絶対言わないんですね。やさしいんですよ、凄くやさしいの、全てにおいてやさしいの」と振り返った。

 いつもと変わらないハイテンションで語りつつ、「あんなにやさしい人と結婚しちゃったからね、あとが辛いんですよね。今、悲しくて、悲しくて、悲しくてね、本当につらいんですよ…もう止めますよ」とスピーチを締め、セレモニーの途中で慌ただしく次の仕事に向かった。

 和田さんは生前も、著書「お楽しみはこれからだ:映画の名セリフ」シリーズで1973年、85年、94年に、「これもまた別の話」(三谷幸喜氏と共著)で98年にそれぞれ読者賞を受賞している。今回は「映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝を込めて」顕彰された。