◇「スカーレット」烏丸せつこインタビュー

 女優の烏丸せつこ(65)がNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月〜土曜前8・15)に今月12日からレギュラー出演。“謎の女”に扮し、ドラマ後半戦に新風を吹き込んでいる。1980年の女優デビューから40年のキャリアを誇るが「まさかオファーが来るとは」という朝ドラ初出演。ドラマの舞台・滋賀県出身とあり「やってみようかなと思ってしまったんです。この年で!」と笑った。ヒロイン・戸田恵梨香(31)のことは「私たちみたいに途中から入ってくる役者のことも考えて、自分の芝居のこともして…。戸田さんは努力する、闘う子やと思いました。この作品に参加して得たものは、戸田恵梨香さんの根性。ちょっと感動するくらい」と褒めちぎった。 

 朝ドラ通算101作目。タイトルの「スカーレット」とは「緋色」のこと。フジテレビ「夏子の酒」「妹よ」「みにくいアヒルの子」、日本テレビ「ホタルノヒカリ」などで知られる脚本家の水橋文美江氏(56)が朝ドラに初挑戦するオリジナル作品。“焼き物の里”滋賀・信楽を舞台に、女性陶芸家の草分けとして歩み始める1937年(昭12)大阪生まれのヒロイン・川原喜美子の波乱万丈の生涯を描く。

 物語は1983年(昭58)、喜美子は45歳に。母・マツ(富田靖子)を亡くしてから3年半後。穴窯による自然釉の信楽焼に成功、個展も開く陶芸家になった喜美子は離婚した夫・八郎(松下洸平)と10年ぶり以上の再会。長男・武志(伊藤健太郎)は京都の美大を卒業して信楽に帰ったが、1人暮らしを開始。喜美子も再び1人暮らしとなった。

 烏丸が演じるのは、喜美子の工房に現れた客、60歳の小池アンリ。実家は大津の紡績会社で「そこの小池アンリ言うたら、今で言うたらミス琵琶湖やで」。工房を訪れるうちに、2人の間には不思議な友情が芽生える。性格は天真爛漫。芸術にも独特な感性を持ち、喜美子に影響を与えることになる。

 初登場は第111回(2月12日)。喜美子の穴窯初作品を気に入るが「非売品」と言われ「売ってください」と現金30万円を出した。その後、元スキャンダル女優と判明。第114回(2月14日)は行方不明になったと思いきや、5万円のワインを手に喜美子の家に戻ってきた。

 近年は大杉漣さんの最後の主演映画「教誨師」(2018年10月公開)でインパクトを残すなど映画畑を歩いてきたこともあってか、オファーに対し、烏丸は「私、全く朝ドラに興味がなかったんです(笑)。もともとスタジオで撮影するテレビドラマに出演することがあまりないので、ちょっと畑が違うかなと思っていて。まさか自分に出演のオファーが来るとは思っていなかったですね」と驚き。

 ただ、滋賀県大津市出身だけに「ですが、出演のお話を頂いた時に『地元が舞台やし、やってみようかな』と思ってしまったんです。この年で!(笑)実は私、デビューの直後に2回、朝ドラヒロインのオーディションを受けて落ちてるんです。朝ドラに関わりがあるのは、その2回だけ。今回の『スカーレット』出演をその時の事務所の社長が見たら、ビックリするやろね。おまえ、今頃、朝ドラ出てるのか!って(笑)」とユーモラスに“秘話”を明かした。

 役作りについては「小池アンリというかわいい名前の、私自身とは全然違うおしゃれな人です。アンリは喜美子よりかなり年上なんですけれど、喜美子からしたら『全然貫禄ないやん!』と思われるような、チャカチャカしたおばちゃんって感じになっているかもしれないです。ほとんどが戸田さん演じる喜美子とのお芝居。喜美子とは全く違う世界の人間が飛び込んでくるわけだから、喜美子に刺激を与えるような役割なのかなと思いつつ演じています」と語った。

 現場は「関西ことばが飛び交っているからやりやすかったんやけど、週ごとに演出スタッフが違うので、もうビックリ!ちょっと勝手が違うというか…大変やったなぁ…っていうのが正直な印象です(笑)」と朝ドラ特有の撮影に戸惑いも。「衣装合わせの時、『スカーレット』というタイトルに合わせて、わざと緋色のセーター着てきてん。なのにプロデューサーもディレクターも、誰も突っ込んでくれへんかって(笑)わざわざ買うたのに、もう〜!(笑)」と茶目っ気たっぷりに振り返った。

 戸田との“2人芝居”が多いが「戸田さんの印象は、偉い!お芝居について相談したら『そうですね、じゃあ相談してみましょう』と言って、 演出の方にも呼び掛けて最善の策を考えてくれる。この作品のためにいろんなことを考えて、私たちみたいに途中から入ってくる役者のことも考えて、自分の芝居のこともして…。戸田さんは努力する、闘う子やと思いました。この作品に参加して得たものは、戸田恵梨香さんの根性。ちょっと感動するくらい。今後、大変な時は『戸田恵梨香を思い出そう!』みたいな。素晴らしい役者やと思いました」と大絶賛した。

 「正直に言うと、アンリ役を演じるにあたって、リアリティーを求めて芝居をしてきた人間にとっては分からんこともありました。こんな芝居したことない、こんなキャラってなかなか出会わない(笑)。そういうところが、逆に見どころってことかもしれないですね。視聴者の皆さんがどんなふうに見てくださるのか、ドキドキしています(笑)」