俳優・毎熊克哉(32)、武田梨奈(28)が21日、東京・テアトル新宿で公開中のダブル主演映画「いざなぎ暮れた。」(監督笠木望)の公開記念舞台あいさつに出席した。

 切羽詰まった生活を送るチャラ男(毎熊)が、恋人のキャバ嬢(武田)と里帰り…かと思いきや、故郷の島根県を舞台に、実の親戚を振り込め詐欺の被害に遭わせるロードムービー。破天荒な設定が世界でも大絶賛され、モナコ国際映画祭での最優秀主演男優賞(毎熊)と最優秀映像賞の2冠を含め、世界32の映画祭で16の賞を受賞した。

 本来なら凱旋ムードの舞台あいさつになるはずが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、イベントは観客を1人も入れず、登壇者と報道陣のみという異例の形で行われた。数少ないスタッフによる精いっぱいの拍手で迎えられた武田は、「(ファンの前での)舞台あいさつがないと聞いて、やるせない気持ちになりましたけど、小さな映画を記者の皆さんがフィーチャーしてくださることをうれしく思います」と感謝した。笠木監督も「コロナ騒ぎにかぶってしまい、『この時期に公開か』と思っていましたが、今はむしろこのタイミングはいいことでないかと思っています。タイトルからも想像できるように、映画は時代の変わり目を描いていて、今までの価値観は通用しないということ。このタイミングで上映されるというのは、必然と感じています。だから今日は胸を張ってここに臨んでいます」と言い切った。

 もともとは15分の短編映画の予定が、最終的には84分の長編作品になった。撮影期間もわずか3日だったという。毎熊は「あと2、3分(撮影時間が)なかったら撮れないシーンもあった」と強行軍の撮影を振り返った。武田も「たった3日で撮った作品が、テアトル新宿のような映画館で上映できるとは思っていませんでした。そして、このような小さな映画が、各国の映画祭に届けられたと思うとうれしい」と続けた。

 イベントでは各国の映画祭で受賞した賞の授賞式も行われ、毎熊や武田らが感慨深げに賞状を受け取っていた。