将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の開幕戦1回戦第1局が28日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、久保利明九段(44)が127手で羽生善治九段(49)に勝利し、準々決勝に駒を進めた。

 2012・13年大会覇者の久保が、将棋界のレジェンド・羽生を下し、好スタートを切った。「久しぶりの和服は(気分が)すごく引き締まる」と臨んだ久保。一局を振り返り、「羽生九段との対局は熱戦になることが多く強敵。中盤が難しい将棋だったが我慢して指せたのがよかったと思う。最後は形を生かした展開になって、勝ちにつなげることができた」と笑顔を見せた。

 持ち時間各10分、切れたら1手30秒未満、考慮時間各5分と公式戦では最短。対局の途中で「封じ手」が入るのも特徴だ。例年、全国各地で公開対局として開催されるが、今期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開幕局から2回戦第1局までの5局はスタジオでの無観客対局が予定されている。

 対局前、羽生は「例年とは異なる形だが、開幕戦なので張り切って望めれば」とコメントしていたが、初戦敗退を喫し「中盤ねじり合いになってはっきりしない展開で、攻めが重たくなって悪くなってしまった」と悔やんだ。

 8月29日に行われる準々決勝では永瀬拓矢二冠(27)と対戦。「タイトル保持者で強敵に間違いない。少し期間があるので対策を練って当日を迎えたい」と意気込んだ。

 JT杯は渡辺明王将(棋王、棋聖との3冠)が2連覇中で、9月22日の2回戦から登場。広瀬章人八段―高見泰地七段戦の勝者と対戦する。