新型コロナウイルスの影響のため一時休止に入ったNHK連続テレビ小説「エール」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は29日、初回(3月30日)からの再放送がスタートした。“2周目”の「エール」は、キャストが役として朝ドラ異例の解説放送(副音声)を行う“特別版”。週替わりトップバッターの山崎育三郎(34)は「(役の)佐藤久志として、副音声を務めさせていただくのは斬新でした。僕個人ではなく役に入って話すので、より作品への思いが伝わると思います」と手応え。“久志の解説”はインターネット上で反響を呼んだ。

 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める朝ドラ通算102作目。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶりとなる。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909〜1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。

 解説放送は、視覚障がい者のための放送サービスとして番組音声からだけでは伝わらない情報を副音声で補完。朝ドラの解説放送(副音声)は1990年前期「凜々と」から開始。「エール」は声優の山崎健太郎が担当している。

 今回の再放送は“スペシャルバージョン”として、出演者が解説放送(副音声)を行う朝ドラ異例の試み。第1〜6話は山崎の佐藤久志、第7〜12話は松井玲奈(28)の関内吟、第13〜18話は森山直太朗(44)の藤堂清晴が担当。ドラマの状況説明に加え、キャラクターそれぞれの視点もプラスされるという。

 この日の第1話冒頭のプロローグは朝ドラ史上最古(?)の紀元前1万年から始まり、窪田と二階堂が“原始人”に。山崎は「川魚を捕り損ねたのは、裕一?」などと解説を加えた。タイトルバックの出演者なども読み上げ「今日の解説は佐藤久志でした」と締めた。

 SNS上には「特別解説員・久志の解説を聞きながら見ると、また一味違うね」「久志がキャスト名を語る。ちょっと感動」「久志が裕一の生まれた時の説明するの不思議な感じw」などの書き込みが相次いだ。

 新たに吹き込みを行った山崎は「佐藤久志として、副音声を務めさせていただくのは斬新でした。僕個人ではなく役に入って話すので、より作品への思いが伝わると思います。出演者によって、それぞれ役への思いがあるので、感情がすごく揺さぶられるんじゃないかなと。副音声でご覧いただいている方には、久志が物語をどのように見ているのかということが届くので、また新しい『エール』の楽しみ方ができたのではないかと思っています」と感想。

 担当した第1〜6話は、久志の幼少期が描かれるが「やはり、子久志(山口太幹)を見ている久志(山崎)の視点に注目してほしいです。自分に対して甘いので、テンションが違いますよね。久志としても、子久志に対しては、より気持ちが入ります。子どもの頃の僕はかわいいなと思います(笑)」と呼び掛けた。

 4月1日から休止していた収録は今月16日、2カ月半ぶりに再開。放送再開時期について、NHKは「収録再開後の状況を見ながら判断してまいります」としている。