NHKの中山果奈アナウンサーが、7月26日(日本時間7月27日)に行われるパリ五輪の開会式でキャスターを務めることが21日、分かった。きょう22日に正式に発表される。2014年に入局し、現在は正午のニュースを担当する“昼の顔”。着実に知名度を伸ばしてきた中での大抜てきとなった。

 これまで五輪の開会式には局のエースが投入されてきた。21年の夏季東京大会は和久田麻由子アナ(35)、18年の冬季平昌大会は桑子真帆アナ(36)らが担当。中山アナはそこに名を連ねる形となり、局関係者は「NHKの未来を担うエースアナとして、局が期待を寄せている証だ」と話している。

 中山アナは主に報道番組を中心に活躍。19年に東京アナウンス室勤務となってからは「首都圏ネットワーク」などを担当した。特に生放送での対応力と安定感は折り紙付き。22年には故安倍晋三元首相の銃撃事件の一報を伝えた。今年元日の能登半島地震発生時には、山内泉アナとともに緊迫感のある口調で避難を呼びかけたことが話題となった。緊急放送での対応について局内での評価が高い。

 パリ大会の開会式は、夏季五輪史上初めてスタジアム外のセーヌ川沿いで開催される。局関係者は「当日は何が起きるか分からない。いざという時の対応力も抜てきの理由になった」と語っている。

 中山アナとともに、大阪放送局の伊藤慶太アナ(52)も開会式を担当することが分かった。長年スポーツ中継に関わっており、競技や選手の豊富な知識で中山アナを支える。他に中継の担当アナとして中川安奈アナ、田所拓也アナ、吉岡真央アナらがパリに派遣される。

 中山アナが花の都のスポーツの祭典をどのように伝えるのか、期待が高まる。

 ◇中山 果奈(なかやま・かな)1991年(平3)生まれ、広島県出身。東大を卒業後、14年にNHK入局。松江放送局、広島放送局を経て19年から東京で勤務。昨年度まで「ダーウィンが来た!」のナレーションを担当。趣味は料理、食べ歩き、芸人のラジオを聴くこと。