彦根東・岩本 難病克服し59年ぶり開幕戦逆転サヨナラ打

彦根東・岩本 難病克服し59年ぶり開幕戦逆転サヨナラ打

 ◇第99回全国高校野球選手権第1日・1回戦 彦根東6―5波佐見(2017年8月8日 甲子園)

 台風の影響で1日遅れて開幕し、1回戦3試合が行われた。彦根東(滋賀)は4―5の9回に2点を挙げ、波佐見(長崎)にサヨナラ勝ち。戦後最少の出場8校となった公立校同士の開幕戦を制し、春夏通算5度目の聖地で勝利を挙げた。夏の開幕戦の逆転サヨナラ勝ちは59年ぶり2度目。津田学園(三重)も藤枝明誠(静岡)をサヨナラで破り、済美(愛媛)は東筑(福岡)を圧倒した。

 校舎は彦根城の堀に囲まれる。徳川四天王「赤鬼」と呼ばれた猛将・井伊直政ゆかりの城だ。建学の精神は「赤鬼魂」――。何事にも1番を目指すメンタリティーに染まった彦根東ナインが、9回の1点差などにへこたれるはずがなかった。

 県有数の進学校。緻密な野球で追いついた。1死一、三塁。場面を想定した打撃練習で何度も繰り返した状況が出来上がる。朝日が三塁にゴロを転がした。「バットに当たったらゴー」で好スタートを切った三塁走者・松井が本塁を踏んだ。

 なおも2死一、二塁。4番の岩本が決めた。ここまで4打席無安打。ナインから「最後だから思い切りいけ」と送り出された。「いい感じで力が抜けた。真っすぐに絞った」。右前へサヨナラ打。赤色に染まる一塁側アルプスが歓喜に沸いた。

 難病を克服して完成させたドラマ。岩本は2年に進級する春、手足のまひを伴う「ギラン・バレー症候群」を患った。幸い軽症だったが、1〜2カ月の療養を余儀なくされた。練習をできない時期があり、マネジャーになろうと考えたことも。控えだった秋を過ぎ、冬場は遅れを取り戻そうと山の坂道で連日ダッシュをこなした。

 50、53、09年春と13年夏。過去4度の甲子園は全て初戦で敗れた。村中隆之監督は「歴史が動いた。勝てなかったこれまでをブレークスルー(打開)できた」と興奮を隠さない。初回最初のアウトは岩本の三直好捕。バットで見事に締めた主砲は「仕事はできた」と笑った。強打あり、積み上げた戦術あり。赤鬼が聖地で暴れ回る。 (水口 隆博)

 ▼彦根東・増居(2年生左腕は5失点も160球を完投)絶対に打ってくれると思った。心強い味方だと実感した。

 ≪59年ぶり2度目≫彦根東が9回に2点を奪い逆転サヨナラ勝ち。夏の開幕戦サヨナラ勝ちは04年天理以来13年ぶり7度目。逆転サヨナラに限れば58年鳥取西以来59年ぶり2度目となった。滋賀県勢のサヨナラ勝ちは90年に八幡商が高田工戦で記録して以来。

 ≪公立校同士の開幕戦は07年以来≫彦根東と波佐見はともに県立校。公立校同士の開幕戦は07年の佐賀北2―0福井商以来だった。佐賀北は同大会で初優勝。以降、公立で夏の優勝校はない(春は09年の清峰が最後)。

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