【中嶋常幸 密着オーガスタ】ウッズの本能見た、勝負どころ見極める的確さ

【中嶋常幸 密着オーガスタ】ウッズの本能見た、勝負どころ見極める的確さ

 ◇USPGAツアー マスターズ最終日(2019年4月14日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7475ヤード、パー72)

 若い頃のウッズは飛距離で他の選手を圧倒し、そこからゲームを組み立てていくのが特長だった。しかし、腰や膝を痛め、年齢も重ねて以前のような力強さは影を潜めた。最近は彼よりも飛ばす選手はたくさんいる。以前ほど飛距離のアドバンテージはなくなった。でも、その分無理のないスイングで試合の流れをつくることができるようになった。

 もともと持っている全体的なクオリティーは高い。何より今週はパットの状態が非常に良かった。スライスラインにしてもフックラインにしても、ちゃんとカップの上側から入っていた。だからショットも無理に叩かずにコントロールができていた。勝負どころを押さえる感覚も的確だった。2打差をつけて首位を走るモリナリが第1打を池に入れた12番。向こうはダブルボギーもある状況。後から打つウッズはパーを取ることが必要だった。そのためには第1打をどこに乗せなければいけないか。そこを冷静に判断し安全にグリーンの左サイドに打っていった。一方のモリナリはあの風が舞う中で、どうして危険なピンの方向に打っていったのか。もっとセンターでも良かったのに、魔が差したとしかいいようがない。

 最終日がスリーサムになり、最終組でモリナリと一緒に回れる巡り合わせの良さもあった。違う組だったら、モリナリと異なる画(え)を見ながらプレーしなければならなかった。でも、同じ組だったので首位の背中にピタリとついていくことができた。もし同組がダスティンやファウラー、ケプカのような選手だったらもっとやりにくかったのではないかと思う。11番で右の林に曲げたボールが、ラッキーな転がり方をして前方の視界が開けたところに止まっていたのも、まさに“タイガー・ラック”だった。 (プロゴルファー)


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