◇大相撲初場所3日目(2020年1月14日 両国国技館)

 白鵬、鶴竜の2横綱がともに金星を配給した。鶴竜は北勝富士をつかまえられずに押し出され、白鵬は妙義龍の突き落としに屈して2日連続金星配給。複数の横綱がそろって金星を配給するのは1997年名古屋場所3日目の貴乃花、曙以来23年ぶり。白鵬、鶴竜とも1勝2敗と黒星が先行し、休場危機に陥った。全勝は新関脇の朝乃山、平幕の遠藤、北勝富士、正代、輝、照強の6人となった。

 波乱の連続で、またしても座布団が舞った。鶴竜が敗れた後の結びの土俵。白鵬は立ち合いで左前まわしを引けず、足が止まった。勝機をうかがおうとしたところで妙義龍の左突き落としを食らうと、簡単に前に落ちた。花道を引き揚げる際にはテレビモニターを凝視。「足が流れている。それをチェックした」と敗因を分析した。横綱在位75場所目で25個目の金星配給。2日目は遠藤に敗れており、2日連続の配給は18年初場所の3日目に北勝富士、4日目に嘉風に敗れて以来、2年ぶり2度目となる。横綱昇進後に序盤で2敗したのは4度目。過去3度はいずれも2敗目を喫した翌日に休場している。4日目以降については「明日は明日にならないと」と出場は明言しなかった。

 鶴竜も厳しい攻めが鳴りを潜めている。北勝富士の右喉輪で出足を止められ、左おっつけに体が起きると悪癖の引きが出て墓穴を掘った。「軽い。それに尽きる。相撲勘とかではない。ちょっと痩せすぎ。力が伝わっていない。自分で分かる」。九州場所は初日の朝に腰痛を発症し、2場所連続途中休場。腰への負担を軽くするため160キロ前後だった体重を153キロまで落としたが、それが裏目となっている。金星配給は30個の大台に乗ってしまった。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「白鵬は勝ちたい気持ちが出て空回りした。鶴竜も気力を振り絞っていかないといけない。思い切りがない」と両横綱の奮起を期待したが、巻き返すことはできるのか。16年以降、初場所は初優勝力士が続いている。今年も“荒れる初場所”の様相だ。

 ○…番付にいる2人以上の横綱がそろって平幕に敗れる(不戦敗を除く)のは、03年名古屋場所5日目に朝青龍が旭鷲山に反則負け(記録上は金星にならず)、武蔵丸が高見盛に寄り切られて以来、17年ぶり。横綱がそろって金星配給となった97年名古屋場所3日目は、貴乃花が蒼樹山に押し倒しで、曙は貴闘力に引き落としで敗れた。