広島の合同自主トレが15日、廿日市市の大野練習場で始まった。新選手会長の田中広輔内野手(30)は、自主トレ先の沖縄から“弾丸帰広”し、新人を含む参加37選手の前で「投手と野手、一体感を持って戦おう」とあいさつした。

 合同自主トレ開始前の大野練習場。新人9選手が自己紹介を終えると、佐々岡監督が掲げる方針に沿って、田中広は「一体感を大事に戦っていこう」と声を張り上げた。同僚との久々の対面に心は躍り、新人の初々しさに6年前の自分を懐かしく思い出していた。

 「新人を含め、選手が一緒にスタートする日。みんないい顔をしていた。それだけでも来たかいがあった」

 慌ただしい一日だった。自身は8日から沖縄で自主トレを初めており、「選手会長が初日に居ないのはおかしい」として、前日14日に帰広。大野ではあいさつのみで練習には参加せず、午後の便で南の島へ戻った。まさに弾丸。理由はある。

 「みんなと練習すると、どうしても頑張ってしまう。まだ寒いし、ケガなく1年間グラウンドに立ち続けたいと思っているので、自分の体と相談しながらやっていきたい」

 不動の1番・遊撃手として3連覇に貢献しながら、昨季は右膝痛の影響大きく、出場97試合で打率・193。8月には手術で戦線離脱を余儀なくされた。術後は順調。「メニューは一通りこなせる」まで回復した。復活を期す2020年。モチベーションもある。

 「キクが居ると居ないでは違う。入団して以来ずっと二遊間を組んできた。タナキクをもう一度全国の皆さんにアピールできるように、2人でチームを引っ張っていきたい」

 メジャー移籍を断念し、残留した菊池涼の決断を歓迎。思えば、王者の時代は同学年の二遊間コンビも輝いていた。18年には2人そろってゴールデングラブ賞を受賞。経験豊富なタナキクが宣言通りに復調すれば、セ界の勢力図を再び塗り替えることができる。

 「今までショートを守ってきたプライドがある。自信を持って練習からアピールし、中心選手として強い気持ちで臨みたい」

 誇り高きV3戦士。心血注いでつかんだレギュラーの看板は、そう簡単に下ろさない。(江尾 卓也)