阪神の藤川球児投手(39)が15日、春季キャンプ地でもある沖縄のかりゆし宜野座で自主トレを公開した。自身との戦いに身を投じる覚悟を示した22年目右腕はクローザーとして前人未踏の「40歳での防御率0点台」を目標に設定。一昨年からウエートトレーニングを行っていないことを明かすなど、さまざまなチャレンジを課しながらシーズンを戦い抜くつもりだ。

 藤川の言葉は一人のアスリートとしての崇高な決意表明だった。

 「(防御率)1点台が普通で、0点台でシーズンを終わりたいと常に言ってる。1点台で良いとも思わない。一昨年、その前というのは2点台前半かな。それでは、自分以上に周りも認めない」

 17年は2・22、18年も2・32で昨年は1・77といずれも50試合以上投げた出色の数字を叩き出しても、更なる高みを目指す。「ハードルを自分でも上げているのもあるけど、自分の場合は周りで見る人が厳しい目になる。でも、そうやって見てもらえるのは勝負師としては必要なこと」

 不動のクローザーとして、プロ野球界初の40代での防御率0点台フィニッシュを追い求める。06年、08年とキャリアで2度マークしているだけに、難易度の高さは誰よりも分かっている。だからこそ挑む意味がある。7月で不惑を迎える男の歩む道は、常に挑戦だ。

 新たに明かしたのが、ウエートトレーニングの封印。「ウエートトレーニングよりも自分の体をどうさばけるか。そういうもので壁を乗り越えていくことでパフォーマンスが上がった。生きてくなかで持つ必要のない負荷でやった時の結果というのは、全然良くなかった」。一昨年から、重い負荷をかけるトレーニングを行わず成績を向上させてきた。

 「トレーニングを多くやってうまくいっていない選手や、うまくいかないからトレーニングしなきゃいけないと思って野球をすることよりトレーニングに必死になっている選手もいるかもしれない。こういう(自分みたいな)選手もいるよと」。根底には野球界、後輩たちに新たな「道筋」を示す意図もある。

 さらに「小さいチャレンジ」としてシーズン中に増量する計算で例年4、5キロ絞っていた体重も1、2キロ減をメドに止める。「絞ると、だいたい3カ月がダメだから。春先が全然ダメ。開幕早いから(今年は)そういう作り方はしてない」

 キャンプインまで2週間に迫り「今からのこの時期がすごい重要」と位置づけ、昨年12月の契約更改の場でも口にした「優勝」という二文字はあえて封印した。「27、28歳と比べたら体力的には練習量もこなせないけど年間に60試合、70試合投げていた時のスコアは超えてこないといけないし、超えられると思っているからやっている」。限界がないからこそ挑む意味がある。沖縄の青空に、背番号22の誇りが見えた。(遠藤 礼)