楽天の石井一久GMが11日、ヤクルト時代の恩師で急逝した野村克也氏の自宅を弔問に訪れた。立花陽三球団社長とともに都内の自宅を訪れ、約15分にわたって無言の対面。この日の朝、球団からの連絡で悲報に触れ「あまりにも早いというか、いきなりだったので。まさかという気持ち。いろいろなことが(頭の中で)くるくる回っていた」と神妙な面持ちだった。

 「手間ひまかけて育ててもらった。いろいろなことを思い出した。“ご迷惑をおかけしました”という話はさせてもらった。すごくいい顔をされていた」

 最後に会ったのは評論家時代の18年といい「元気か?いつかどこかのタイミングでユニホームを着ないといけないんだぞ。それが野球界に対する恩返しなんだから」という言葉をかけられたという。

 「プロに入って一番お世話になった」と振り返る恩師との忘れられないエピソードも明かした。「20歳の時ですかね。打たれた試合の後に監督室に呼ばれて。普段は穏やかでゆっくり動く人が、すごいスピードでイスを蹴り上げて“お前、俺をなめているのか”と言って怒ってもらった。あれから野球に対する考え方が変わった。イスの飛距離と形相と言葉づかいは一生忘れることはない」。時に厳しく育ててくれた恩師の教えが、野球人としての原点になった。

 現在は、野村氏がかつて監督を務めた楽天のGMという立場になった。「親のような存在で、成長を見守ってくれた。選手にとって大事なことを学んだ。そいういものを伝えていきたい」と話した。