侍ジャパンの稲葉篤紀監督(47)は12日、宮崎市清武町のオリックスキャンプを訪問し、12球団キャンプ視察を打ち上げた。ブルペンではプレミア12でセットアッパーに起用した山本由伸投手(21)の投球を絶賛し、先発と救援両にらみの起用構想を明かした。

 「先発“も”というところですね。先発“で”ではなく。先発も、やはり考えていく。本人も先発したいと言っているのは聞いた。彼の思いもくみたい。今年チームでは先発をやるので、なるべく先発でとは考えていきたいと思っています」

 最速158キロの直球に、カットボール、フォーク。高い実力とポテンシャルを評価するからこそ、あらゆる起用法が浮かんでくる。「やはりものが違う。球筋も、球速も、切れもそう。今日も本当に素晴らしい球を投げていた」と順調な調整具合だけでなく、一球一球にしびれさせられた。

 先発として評価するのは、投球スタイルの幅だ。「(打線の)1回り目、2回り目、3回り目と、投球スタイルを変えられる。同じ感じではなく。セットアッパーではそういうところは出ないが、先発では打者を見ながら組み立てを変える器用さを持っている」と評価。代表では巨人・菅野、ソフトバンク・千賀らがエース格と目されるが、匹敵する力を秘めるかと問われ「もちろんその力はあると思います」とした。

 一方で「やはり7、8、9回は野球で一番難しい3イニング」と勝負どころを託せる能力とマウンド度胸にひかれる部分もある。「プレミアでも、8回にあれだけの投球をしてくれると安心感は凄くあった」と明かす。

 「そこは投手コーチと、選手を選んだ時にどうするとしっかり決めたい」と稲葉監督。09年WBCでは先発のエース格だったダルビッシュが、決勝では抑えを務めた。「先発で使うなら、なるべく先発でとは考えているが。例えば決勝は総力戦になる。当然そういう“1イニング限定で”という考え方もある」と大会の行方次第で起用法に幅が出ることも否定はしない。誰よりも切れ味鋭い名刀だからこその、悩みなのかもしれない。