ウィザーズの八村塁(22)は自身の今季30戦目をニューヨークで戦ったが8得点。復帰後5戦連続の2ケタ得点を逃してしまったが、第1Qの2分36秒に外したゴール下のシュートは相手の反則を審判がコールしてもおかしくなかった。たぶん本人も少々不満だったのではないだろうか?

 それでも八村は審判に文句を言うことなくプレーを続行。最後は“勝者”となって試合会場となったマジソンスクエア・ガーデンをあとにした。

 対照的だったのがニックスのボビー・ポーティス(25)とウィザーズのモーリッツ・ワグナー(22)の両フォワード。ポーティスはウィザーズのシャバズ・ネイピアー(28)の背中にボールをぶつけ、ワグナーは審判に文句を言って第4Qにともにテクニカル・ファウルを宣告されて退場処分となった。

 バスケットボールには身体接触以外の反則行為として「テクニカル」が設けられている。暴言や乱闘などの非紳士的行為が対象だが、NBAでは例えばベンチでタバコを吸っても(そんな選手やスタッフは皆無だが…)その対象になる。テクニカルを宣告されると相手チームに1本のフリースローと攻撃権が与えられ、1試合で2度コールされると自動的に退場。レギュラーシーズンでは累積回数が16回になると1試合の出場停止となり、回数に応じた罰金(1000ドル〜2500ドル)も設定されている。

 テクニカル・ファウル部門の今季1位はウォリアーズのドレイモンド・グリーン(29)で現時点で12回。ロケッツのラッセル・ウエストブルック(31)とニックスからクリッパーズにトレードされたマーカス・モリス(30)が11回で2位に続いている。“いかにも”といった面々だが、ウィザーズで今季チーム1位の29・1得点を挙げているブラドリー・ビール(26)も7回(退場1回)、シューターのダビス・バターンズ(27)も5回を数えている。

 その中にあってドラフト全体9番目に指名された八村は30試合でまだ一度もテクニカル・ファウルを宣告されていない。ドラフト同期で10番目までに指名されたトップ・ルーキーで八村同様に「0」となっているのは、この日対戦したニックスのR・J・バレット(19=全体3番目指名)らを含めて6人。1巡目指名選手30人の合計でも10回と、グリーン1人の回数を下回っている。全体8番目に指名されたペリカンズのセンター、ジャクソン・ヘイズ(19)だけが2回だが、八村の“同期生”たちは実にクールな?対応を見せている。

 「相手にフリースローを与えてしまうし、ルーキーだと監督や先輩のチームメートに遠慮しておとなしくしているのでは?」と思うかもしれないが、球宴に先発するスロベニア出身のガード、ルカ・ドンチッチ(20=マーベリクス)は新人王となった昨季(72試合)が5回、今季も43試合で4回、笛を吹かれている。ドンチッチ同様に2季目で球宴の先発に名を連ねているトレイ・ヤング(21=ホークス)もルーキーだった昨季(81試合)に8回、今季(49試合)もすでに9回もテクニカル・ファウルを宣告されている。

 自己主張の国、米国にあって、不満があっても自分の胸の中にそれをしまいこんでしまうのはレアケースだと思うのだが、なぜか今季のNBAの新人選手に限ると、八村を筆頭格とする「余計なことを言わない」クールなルーキー?がズラリ。ウィザーズのスコット・ブルックス監督(54)は八村について「とても新人とは思えない」と常々語っているが、それはこんな部分にも表れている。(高柳 昌弥)