【伊藤幸男の一期一会】社会人野球の名門が、来るべきシーズンへ会心の白星を挙げた。

 19日に千葉県鎌ケ谷市で行われた日本ハム2軍との練習試合。1点を先制されたJX―ENEOSは先発したドラフト2位・立野和明投手(21=東海理化)に襲いかかる。1点を追う2回に柏木秀文捕手(30)の左越えソロで同点とすると、3回には柏木の左翼線二塁打など4安打で3点を勝ち越した。

 「立野君は社会人時代も戦ったことがあるから(球筋は)知っていた。初球から自信のある真っ直ぐで来るだろう」。捕手らしい読みでの同点弾&適時打にしてやったりの表情だった。

 チームは5回にも2点を追加すると、6回は田中将也内野手(24)の左越えソロ、7回にも2安打で計8得点を奪って日本ハム2軍を圧倒した。

 アマ野球ファンなら「日本石油」の名前は聞いたことがあるはずだ。都市対抗野球11度の優勝など、獲得した全国タイトルは全チーム最多の16回。だが黄金時代も今や昔とばかり15年を最後に、都市対抗出場から遠ざかっている。その危機感から今春、大久保秀昭監督(50)が6季ぶりに古巣へ復帰。任期途中だった慶大監督を昨秋限りで退任し、いばらの道を選択した。

 2020年のチームスローガンは「ドラマチック チェンジ」。劇的に現状を打破しなければ、殻を破れないと覚悟しての決意表明だった。「都市対抗に4年間出ていない責任は感じてます。きょう(19日)だけでなく、これから先も常にこんな試合を多くやっていきたい」。プロ相手に快勝しても、柏木は厳しい表情のままだった。

 新年度最初の公式戦はJABA京都大会(4月25日〜、わかさS京都など)。ナインの目標は12月3日の都市対抗決勝(東京ドーム)でシーズンを締めることだ。