◇アーチェリー東京五輪代表2次選考会最終日(2020年3月22日 静岡県掛川市・つま恋リゾート彩の郷スポーツ広場)

 144射の合計点で競い、男女各6人が出場して上位5人が4月11、12日の最終選考会へ進んだ。女子は美人女子大生の安久詩乃(あぐ・うたの、21=同大)が3位通過。この競技の日本勢初メダルとなる1976年モントリオール五輪銀メダリスト、同大の道永宏監督(63)の愛弟子が無印から飛躍。3枠の代表に入れば、アイドル誕生の予感が漂う。男子はロンドン五輪銀の古川高晴(35=近大職)が貫禄の1位突破をした。

 

 安久と書いて「あぐ」と読む。珍しい名字の京都市出身は、不規則な強風に悩まされていた。いつもなら、1エンド6本をササっと済ませる早撃ちが、この日は6人中最後の方。リズムに乗れずにモヤモヤしながらも、「良くも悪くも慎重になった」と落ち着き、3位通過を果たした。

 大会前は不安でいっぱいだった。新型コロナウイルスの影響で他校との合同練習は中止。大学で練習はできたが「調子が悪くて」と迷宮入りをした。

 救いの手は、モントリオール五輪銀メダリスト・道永監督の言葉。「左足の重心を指摘された」と構えの歩幅を広げ、ドンと構えたところ不調を脱出できた。この日も後ろで指示を受け、「どんな場面でも堂々としている。すごく安心感がある」と信頼を寄せる。師匠も「こちらがストップをかけるぐらいの練習量」とまな弟子を称えた。

 3歳から14歳までクラシックバレエを習い、中1で競技を始めた際は「そのせいか、まっすぐ引く、立つという感覚が良かった」と早くから活躍。高2で当時の高校記録を打ち立てた。ただ、シニアでは目立った成績はなく、無印からここまで駆け上がってきた。

 五輪の延期や中止論が世間を騒がす中、この日、日本アーチェリー連盟は「現時点では予定通り開催する」と、代表3人を決める4月11、12日の最終選考会の実施を明言した。ロンドン五輪団体銅の早川が力上位だが、後は混戦。“JD”にもチャンス到来だ。

 

 ◆安久 詩乃(あぐ・うたの)1998年(平10)8月27日生まれ、京都市出身の21歳。同志社女子中1年で友人に誘われて競技を始め、同志社女子高2年で全国高校総体2位。同大2年で全日本大学選手権2位。京都市の自宅近くに高級料亭「安久(あんきゅう)」があり、「間違ってウチに郵便物が届くんです」という珍名ならではのエピソードも。1メートル59、54キロ。