◇練習試合 広島8―9中日(2020年3月22日 マツダ)

 広島のドラフト1位・森下暢仁投手(22=明大)は、22日の中日との練習試合で6回2失点に抑えて、前回登板からの修正力を示した。救援陣が逆転を許したため勝利投手の権利は逃したが、プロ初登板予定だった一戦で堂々の投球。相手先発の小笠原には投げ勝ち、新人・郡司には2打席連続三振と同学年対決に完勝した。

 初星へ手に汗を握っていたはずだった。2回には強い雨に降られながら1イニング2奪三振。森下は6回7安打と毎回走者を背負う我慢の投球も、失点は犠飛と阿部のソロによる2失点に抑える投球術があった。1点優勢で降板しており、勝ちパターンが投入されるシーズンであれば“プロ初先発初勝利”の可能性もあった。

 「直球も変化球も腕を振ることができた。(カーブで)ストライクを取れたり、低めに投げ切れたので良かった。次は球数(101球)を減らしてもっと早く打者と勝負していきたい」

 今後につながる、確かな手応えは残した。前回15日のソフトバンク戦は、4回5失点。全9球投じたカーブが全てボール球になるなど、変化球の制球難が課題だった。一転、カーブ全16球のうちストライクが半数の8球と大幅に改善。カットボール、チェンジアップともに冴えた。「変化球が良ければテンポも良くなるので、全部につながっていく」。修正を施した変化球が、多くの相乗効果をもたらした。

 忘れられない再戦があった。中日「8番・捕手」の新人・郡司(慶応)は、東京六大学で同一リーグだった。初対戦は、大学1年春の新人戦にさかのぼる。当時、右肘に不安を抱えていた森下は、直球を140キロ前半に抑えていたものの、郡司を迎えて140キロ後半を連発した。しかし、カウント2―2としたところで異変を訴えて降板すると、のちに右肘骨折が判明した。

 この日、5回先頭で迎えた郡司の2打席目に、あの日と同じカウント2―2となった。ここから7球目の148キロ直球はファウル、続くカットボールを外角に決めると、2打席連続の見逃し三振となり悪夢を振り払った。「大学のときによく打たれていたので、しっかり抑えられてよかったです」。相手先発の小笠原も同学年。相手よりも1失点少なく降板して、左腕との直接対決には投げ勝った。

 「(同学年に)対戦するときは、しっかり勝ちたい」。練習試合でも世代を代表しようとする心意気を見せた。(河合 洋介)

 ▼中日・郡司(同学年の広島・森下との対戦について)大学時代はあんな球(5回に見逃し三振に倒れたカットボール)は投げてこなかった。素晴らしい。でも練習試合。シーズンで打ちます。