新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪の通常開催(7月24日開幕)を今週中にも断念する可能性が22日、急浮上した。国際オリンピック委員会(IOC)は、理事会を25日か26日で調整していることが判明。大会延期の方針でまとまった場合、30日の大会組織委員会の理事会で合意に達するという見方もある。世界から延期を要望する声がやまず、重い決断は秒読み段階に突入した。

 米国のオリンピック・パラリンピック委員会が21日までに発表した声明で、五輪開催の決定権を持つIOCが今週に理事会を開くことが判明した。IOCは17日の理事会で、7月24日開幕の通常開催の方針を確認したが、異例となる短期間で2度目の協議。全ての国内オリンピック委員会(NOC)に新型コロナウイルスの感染拡大が練習に及ぼしている影響を聞き取り調査しており、関係者によるとIOC理事会は25日か26日の実施で調整中という。

 一部のNOCや米国の水泳連盟や陸上連盟、アスリートからも五輪延期を要望する声が続出。通常開催強行を疑問視する日本人の現役メダリストもいる。IOCのバッハ会長は19日に米紙で「違うシナリオは検討している」と初めて通常開催以外に言及する一方、ドイツのラジオ局の取材では「中止は最も公平でない解決策だ」と五輪中止には否定的な意見を口にした。

 今週のIOC理事会で延期が議題となるのは必至で、大会組織委員会の関係者は「IOC理事会で方針が出れば、30日の組織委員会理事会で合意となるのではないか」と明かす。ロイター通信は世界陸連のセバスチャン・コー会長の「決断は非常に早くに、非常に自明なものとなるだろう」という見解を報じており、通常開催を断念し、今月中に延期で再スタートを切る可能性は高い。

 延期になった場合に注目が集まるのは、新たな開催時期だ。1年案、2年案が飛び交うが、関係者によると、最も現実的なのが年内開催だという。五輪憲章で夏季大会は4年周期のオリンピアード最初の年に開催とされており、ルール上は年内。IOC総会でIOC委員の3分の2が賛成すれば改正可能だが、組織委関係者は「皆さんが思っているよりもハードルが高い」と説明し、「年単位の延期は会場の確保もだが、経費、ボランティアなど問題が多すぎる」と続けた。

 世界各国では外出禁止や渡航制限など新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、厳戒態勢に突入。ウイルス封じ込め作戦の可否も、重要な判断材料になる。関係者は「まず通常開催の断念を決定してから、世界の感染状況を判断した上で、速やかに延期の開催時期を決めるという手段もある」と明かした。7月24日開幕に対して世界から反対意見が噴出し、もはや“外堀”は埋められた状況。決断の時は、迫っている。