日本ゴルフツアー選手会の時松隆光新会長(26)が今季の国内男子プロゴルフツアーの方向性を決める25日の日本ゴルフツアー機構(JGTO)定時社員総会を前にスポニチ本紙の単独取材に応じた。時松新会長は今年1月23日に前任の石川遼(28)からバトンを受け取ったばかり。新型コロナウイルス感染拡大の影響により国内女子ツアーの開幕が大幅にずれ込む中、3週間後に控えた国内男子ツアーの開幕も極めて流動的な状況にある。また、男子ゴルフツアーの最重点課題である試合数増にどうのような筋道を立てるのか。就任早々、難しいかじ取りを迫られている。

 まずは4月16日開幕予定の今季第1戦、東建ホームメイトカップ(三重・東建多度カントリークラブ・名古屋)の実施の有無。

 「(海外メジャーの)マスターズも延期になりました。つい先ごろ、埼玉でK―1のイベントが実施されましたが、いい話も悪い話も両方出ています。もし開催するとなれば、プロゴルファーとして全力プレーをお届けできるようみなで努力しますが、いちばん、悪いのは開催することで大会の主催者のみなさんのブランド価値を傷つけることです。ですからみなさんが納得する結論が得られるよう努力したいと思っています。そこは選手会としても慎重に判断したい」

 

 時松会長が活動の拠点を置く九州地区では新型コロナウイルスの感染拡大が叫ばれる中、表彰式を簡素化するなどして宮崎、大分で無観客試合を実施した。今のところ問題は起きていないが、地域によって感染拡大防止への考え方も異なる。大会の実施についてはスポンサーの意向を最大限尊重する考えでいる。

 一方、試合の実施に踏み切るにはJGTO内部にもクリアすべき難題がある。それが賞金シード選手(昨季の賞金ランク上位65人)の約半数を占める外国人選手の存在。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため日本政府が実施した入国制限により多くの外国人選手が開幕戦に参加できないという状況が生じている。

 「外国人選手が日本に来たくても来れないアンフェアな状況になっています。何らかの手を打たないといけないと思っています」

 外国人選手に対する公傷制度の拡大適用や今シーズンに限った賞金シード枠の拡大などをたたき台に今後、解決策をJGTOと探っていく。また、男子ツアーは女子ツアーと異なり最大5週のオープンウイークがある。こうした状況を打開するため大会主催者と協議しながら大会中止ではなく大会の延期を模索することも一つの選択肢となる。

 次に近年の試合数減に象徴される男子ゴルフの人気の低迷にどう歯止めをかけるか。“レジェンド”青木功氏(77)がJGTOの会長に就任して2期4年、状況は好転していない。25日の定時社員総会を前に青木会長の責任を問う声も出ているが、新たに選手会を率いる時松会長は自らの足元を見つめ直すことに重きを置いている。

 「日本ゴルフ界のためにさまざまな功績を残してこられた青木さんの存在に傷を付けてはいけないと思っています。いかにファンの方を大切にできるか。選手会としてもっとファンサービスを積極的にやっていきたい」

 

 選手会ではこれまで宮里優作会長時代にギャラリーのためのフォトエリアの創設、石川会長時代に大会のオリジナル・ピンフラッグの販売などファンサービスのための新施策を打ち出してきた。時松会長が目指すのは米ツアーでは一般ギャラリーにも認められている試合会場での携帯電話による動画の撮影。

 「プレー中のシャッター音や肖像権の問題などファンの方の動画撮影が難しいのは理解していますが、今はネットの時代です。練習場だけでなく試合中の真剣勝負を動画で撮っていただいてそれをSNSなどでファンの方に拡散していただく。男子のプレーってこんなに凄いんだというのをゴルフを知らない方にも知っていただくには有効じゃないでしょうか」

 

 従来、打球練習場周辺でのみ可能だったギャラリーによる動画撮影を優勝争いの最中にも認めようというもの。国内の女子では練習場も含めて写真、動画の撮影は認められていない。実現すれば、男子ゴルフの大きなセールスポイントになる。