◇セ・リーグ 広島4-1中日(2020年6月26日 ナゴヤD)

 広島・鈴木誠也外野手(25)は26日の中日戦で、決勝弾となる先制ソロを含む2打席連発を放った。これで打率・462、5本塁打、9打点。リーグの打撃主要3部門でトップに立った。タイトルに関わる安打数、出塁率も含め5冠の絶好調ぶり。先発した大瀬良は、開幕戦から2試合連続の完投勝利で、チームを引き分けを挟んでの連勝に導いた。

 エースだろうと、鈴木誠には関係ない。2回先頭、6球連続での直球でフルカウントとなり迎えた7球目。大野雄の外角ツーシームに反応した。ライナー性のまま左中間の最深部に着弾させ、決勝弾となる先制ソロ。4回先頭では1ボールからの真ん中付近の直球を強振すると、弾丸でバックスクリーン左にまで届いた。センターのカメラマン席にいたドアラの真横に着弾。衝撃的な2打席連発となった。

 「たまたま甘い球を仕留められた結果。去年は(大野雄に)いい所に投げられて打てなかった。いい投手には間違いないけど、甘い球を待って集中していきました」

 大野雄に対しては、昨季15打数2安打、打率・133と苦手とした。5回2死二、三塁の第3打席は、2ボールとなり申告敬遠を告げられた。昨季からのさらなる成長を証明するかのような完勝だった。

 開幕7試合で5本塁打もさることながら、打率・462、9打点となり、リーグの打撃3部門でトップに立った。思い返せば、春季キャンプ初日に、朝山打撃コーチから「3冠王を獲るつもりで頑張ろう」と伝えられて始まった今季だった。

 1月に堂林らと行った宮崎・串間市内での自主トレ中に、語気を強めた場面があった。「ただ練習しているだけなら意味ない」。同じ二松学舎大付出身で高卒3年目の永井への熱のこもった指導だった。「2時間何も考えずに打っても意味ないよ。それなら“絶対ここだけは意識する”と考えて30分間だけバットを振った方がまだいい」。心優しき先輩も、いまだ1軍出場のない後輩を思い、練習中だけは厳しく接した。

 開幕延期後も、「いろいろ試せる」と集中力を切らさなかった。試合前練習では、連続で中堅左に着弾させていた。打撃練習の弾道を再現したかのような2本目のアーチは、練習からの意識の高さの表れだった。

 「いい結果が出てくれている。チームのために自分のできることを意識したい」。赤ヘルの4番は、また頼もしくなった。(河合 洋介)

 ▼中日ドアラ まじで危なかった。ちょっと狙われている気がしました。

 ≪過去7人だけ≫プロ野球の3冠王は過去に7人で11度だけの貴重な記録。最も最近達成したのは04年の松中信彦(ダイエー)で、セとなると34年前の86年バース(神)までさかのぼる。なお、松中以降、惜しくも2冠に終わった選手は延べ14人もいるが、久々の3冠王はいつ現れるか。