◇セ・リーグ 巨人6−5ヤクルト(2020年6月26日 神宮)

 主将に回せという思いが劇弾を生んだ。1点を追う9回1死二塁。代打で登場した巨人・重信は次打者の坂本へ「とにかくつなぐ気持ちで入った」。1―1から石山の133キロ低めスライダーをすくい上げた。空高く舞い上がった打球は右翼席で弾む値千金の逆転1号2ランとなった。

 「うまく反応できた。打った瞬間は“(フェンスを)越えてくれ”と。入ってくれてホッとしました」

 坂本をはじめ、歓喜のベンチに迎えられた27歳。5年目で通算5本目のアーチは初の代打弾。逆転弾も初だ。個人調整期間中に石井野手総合コーチから受けた「軸足を意識して回転しろ」の助言を実践した決勝弾だった。

 2年目の17年。ベンチ入りメンバーで一番年下だった重信は、坂本がOBの井端弘和氏から譲り受けたグラブをチームの攻撃中に冷蔵庫にしまう係だった。長年愛用しているため柔らかくなったグラブの皮を坂本好みの硬さにするためだ。「7分半がベスト。勇人さんの“硬くなりすぎ”“足らんな”という反応を見て、ストップウオッチで測ってたんですよ」。坂本の好守にひそかに貢献していた重信。この日は主将に頼ることなく、自らのバットでチームを勝利に導いた。

 原監督も「いいところで彼の小力(こぢから)が出た。抜けるとは思ったけれど、入ったとは思わなかった。彼の思い切りの良さが出た」と称賛した。チームは3カード連続でカード初戦を取り、首位をキープ。「チームの雰囲気は本当にいい。このまま勝っていきたい」と重信。チーム一丸で勝利を重ねる。 (青森 正宣)

 ▼巨人・陽岱鋼(ヨウダイカン)(2回の先制ソロを含む3安打)いいスイングができました。1本出て良かったです。

 ▼巨人・中島(8回に2点適時二塁打)和真とダイカンがつなげてくれて、いい雰囲気で打席に入れた。チャンスで打てて良かった。