体操男子の内村航平(31=リンガーハット)が、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪は種目別の鉄棒で出場を目指すことが26日、分かった。16年リオデジャネイロ五輪を制した団体総合、五輪連覇中の個人総合での出場は狙わず、15年世界選手権で金メダルに輝いた得意種目に専念。「現在の状態での五輪出場の可能性を考え、一番可能性が高いと感じたので、この決断に至りました」と説明した。

 両肩痛を抱えていた昨年は全日本選手権で予選落ちを喫し、世界選手権の代表を逃した。治療のため、昨年だけで患部に100本以上の注射を打ったが、完治には程遠い。負担の大きいつり輪などは、十分な練習が積めない状態が続いていた。「今年2月に鉄棒に絞って東京五輪に挑戦することを決めました」。今後の五輪予選で個人の出場枠を獲得できる可能性があり、種目別に絞った選手も五輪で戦うチャンスはある。

 五輪延期で調整期間が増え、かつて実戦投入に意欲十分だったH難度の大技「ブレトシュナイダー」に再挑戦する可能性も十分。19年7月には、東京五輪について「自分の国で開催されるのは奇跡だし、目指せる年齢に生まれたのも奇跡。人生最大の奇跡に立ち向かうという感じ」と話していた。09〜16年に世界大会8連覇の個人総合と決別して狙う夢舞台。オールラウンダーとして頂に君臨してきたキングは、スペシャリストになっても黄金の輝きを放つ。