ボートレース宮島のSG「第30回グランドチャンピオン」は28日、12Rで優勝戦が行われた。1番人気に支持された徳増秀樹(45=静岡)がインからコンマ05のトップスタートを決めて完勝。歴代5位の年長記録となる45歳6カ月で悲願のSG初優勝を成し遂げた。優勝賞金3300万円を獲得して20年賞金ランキング4位に躍進。2年連続2度目のグランプリ出場を、はっきりと視界に捉えた。

 スタンドには誰もいない。それでも徳増のウイニングランはいつも通り。画面越しに見守ってくれているファンに向けて、おなじみの敬礼ポースを何度も何度も繰り返した。デビューして26年目、SG優出10回目ながら、1枠で乗ったのは初めて。「10回目という節目で初めてチャンスらしいチャンス」と語っていた好機を見事に生かし、ついに「ヒデキ感激!!」の瞬間が訪れた。

 「優勝するという強い気持ちを持って」宮島にやって来た。その気持ちに応えるかのようにトップ級の45号機をゲット。徳増は「エンジンがいいのは分かっていたので、手探り状態の1走目の入り方だけを間違わないようにしたかった」と自らが最大の難所と考えていた初日を連勝でクリア。これでVへの流れをグッと引き寄せた。予選最終日の4日目は「僕に向いた日になった」とここも連勝締めで予選トップ通過を決め、あとは王道Vロードを歩むだけだった。

 準優、優勝戦の前は初めて経験する緊張感との戦いでもあった。「吐きそうな気持ちにもなったし、血の気が引く感じもした。手が震えているのが分かったぐらい」。静岡の後輩たちが声を掛けてくれ、天国からは「同期でライバルだった」今坂勝広さん(16年5月胃がんで死去)も見守ってくれた。気持ちを落ちつかせて迎えた優勝戦の1Mは「エンジンの力を使い切った素晴らしいターンができた」と振り返った。

 「デビュー当時からお世話になった牧野(俊英)さんや、父親みたいだった(石塚)憲明さん。今坂、そして静岡の先輩方や後輩たち。SG初優勝を伝えたい人はキリがないほどいるけど、やっぱり家族には感謝の気持ちしかないですね」

 徳増は言う。「SGは2回勝ってこそ本物」と。「今度はスタンドにファンがいっぱいいる所で敬礼したい」。次の鳴門(オーシャンC)も徳増にとっては得意水面。さらには2年連続出場を狙う年末のグランプリも見据える。今年はいつにもまして“濃い〜”一年になりそうだ。

 ◆徳増 秀樹(とくます・ひでき)1974年(昭49)11月29日生まれ、静岡県出身の45歳。静岡支部所属75期。94年11月、浜名湖一般戦で初出走。優勝88回。G1優出28回、優勝3回。SG優出は10回目で初優勝。同期は林美憲、上平真二、大沢普司ら。1メートル66、血液型A。