◇パ・リーグ ロッテ6―5オリックス(2020年6月28日 ZOZOマリン)

 やっぱりこの男が「勝利」を握った。2点差を追い付かれた直後、5―5の8回無死。1ボール2ストライクと追い込まれたロッテの4番・レアードのバットが、増井のスライダーを捉えた。

 「心の中でプリーズ、プリーズ、プリーズと繰り返しながら走ったよ」

 バックスクリーン左、外野フェンス最深部ぎりぎりに飛び込むリーグトップタイの決勝5号ソロ。このカード6戦5発と大暴れで、プロ野球史上初となる同一カード6連戦6連勝の最大の立役者となった。いつもより急いで握ったパフォーマンスの「エア寿司」は格別。「握ったのは中トロ。寿司大好き、中トロ大好き!」と舌も滑らかだ。井口監督も「こういう試合での一発はつくづくありがたいね」と感謝した。

 レアードは0―3で迎えた2回には、先頭打者として左前打。難敵のオリックス・山本を攻略する口火を切った。指揮官が「ダブルクリーンアップ」と表現する中村奨、井上、田村の6、7、8番は3人合計で4四球、4安打。田村は3打点を挙げた。これで3戦連続の逆転勝ち。先制されても、相手が好投手でも、今のロッテは動じない強さがある。

 13年5月9日以来となる、7年ぶりの8連勝。6月中の首位も確定した。試合前はグラウンドに水たまりができるほどの大雨が降ったが、勝利の後は明るい空も広がった。井口監督は「いいスタートが切れた」と手応えを口にし、レアードも「連勝の雰囲気は何ものにも代え難い。チームは最高の状態だ」と笑顔。快進撃はしばらく止まりそうにない。(君島 圭介)

《6連戦6連勝アラカルト》

 ☆接戦で強さ 6試合中4試合が1点差勝利。2度のサヨナラ勝ちを含め決勝点を挙げたのは全て8回以降だった。

 ☆先制攻撃も 3試合で初回に先制。試合を優位に進めた。イニング別の得点を見ても初回が最多で12点。以下8回5点、6回3点と続く。

 ☆打率低くても 打率こそ.241と高くなかったが、30四死球を選び出塁率は.355。盗塁も11度試みて10度成功、オリックスの3盗塁を上回り機動力も充実。

 ☆安定の救援陣 先発投手の防御率3.96だが、救援陣は18回2/3を4失点、防御率1.45と安定。7回以降に複数イニングで失点した試合は一度もなく5度の逆転勝ちを呼び込んだ。