現在のサッカー界には“ワンクラブマン”と呼ばれるたった一つのチームにキャリアを捧げる選手は絶滅危惧種となっている。ひとつのシャツの色とエンブレムへの揺るぎない忠誠のロマンスはもうない。何よりもお金がその関係を侵食してしまった。

世界最高のプレーヤー、レオ・メッシは数少ない“ワンクラブマン”の一人と言える。出身地ロサリオのニューウェルズ・オールドボーイズで本格的にサッカーを始めた未来の世界的クラックは、2000年9月にわずか13歳でバルセロナに到着し、それ以来20年間をカタルーニャのクラブで過ごしている。

メッシがこの間に交わした契約には、経済的な要因のほかに、感情的な側面が大きく関わってきた。バルサが彼に賭け、成長ホルモン分泌の不足を緩和するために治療費を全額負担したという逸話は語り草になっている。メッシは今でもその感謝を忘れることなくプレーしている。

メッシのようなケースは稀で、1つのチームで16年間途切れることなくプロキャリアを誇るエリート選手はほとんどいない。ロサリオ出身の同選手は2004-05シーズンにフランク・ライカールトのファーストチームでデビューし、今日までの16年間FCバルセロナでプレーしている。

その間の大部分で、彼はトップレベルに君臨した。FIFA年間最優秀選手賞とバロンドールの6度受賞もさることながら、10度のリーグ優勝、6度の国内カップ、4度の欧州チャンピオンズリーグ制覇など計34のタイトルを獲得している。バルセロナでの718試合で505勝を数え、48度のハットトリックを含む627ゴールと261アシストを記録している。

今後の大きな問題はメッシの去就だ。契約は2021年6月30日までだが、来月で33歳を迎えるアルゼンチンのスターはバルセロナでキャリアを終えるのだろうか。『20』年の大台には少なくとも4シーズンの契約が必要だが、メッシが望めばクラブも喜んで契約するだろう。

そんなメッシだが、彼でも到底敵わない“バンディエラ”が存在する。
1984-85から2008-09シーズンまでの25シーズンで902試合に出場し、26のタイトルを獲得したACミランのパオロ・マルディーニだ。史上最高の左サイドバックと称されたイタリアのキャプテンが築いたこの記録には、メッシでも届かないだろう。10歳でロンバルディアのクラブに入団し、41歳で現役を引退したマルディーニは、ミランのレジェンドだった父チェーザレを凌駕した(1954-1966年)。

また、フランチェスコ・トッティにも敵わない。“イル・カピターノ”も1992-93から2016-17シーズンまでの25シーズンをローマのシャツで過ごした。他にも、ライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド/24年間)やハビエル・サネッティ(インテル/19年間)などのトッププレーヤーもメッシの上をいく存在だ。


メッシのはるか上を行くワンクラブマン [画像/@MARC CREUS]