関屋記念で浮上する穴馬3頭。キーワードは「巻き返し、3歳、頭打ち」

 秋のGI戦線に名乗りをあげるべく、歴戦のマイラーたちが集う関屋記念(8月13日/新潟・芝1600m)。新潟・外回りの特徴である600m超の長い直線を使ったこのレースは、夏競馬ではお馴染みの重賞となっている。

 最大の見どころは、その長い直線で繰り広げられる熾烈な攻防。それを楽しむのはもちろんのこと、同時に”オイシイ”馬券もゲットしたい、というのが本音。そこで、過去の傾向をもとにして”真夏の一攫千金”を企ててみたい。

 ハンデ戦ではなく、また実力を出し切れるコース形態ということもあって、この時期に行なわれる他の重賞に比べると、波乱が少ない印象がある。実際、過去10年で1番人気は3勝、2着3回、3着1回と、まずますの成績を収めている。およそ7割の確率で馬券圏内に入っているのだから、ある程度の信頼は置くべきだろう。

 とはいえ、穴馬の台頭も頻繁に見られる。10年のうち8回は、馬券圏内に6番人気以下の馬が絡んでいる。その中には、12番人気で3着に飛び込んできたマイケルバローズ(2007年)、13番人気で3着となったマイネルスケルツィ(2009年)、10番人気で3着入線を果たしたリザーブカード(2010年)といった例もある。

 1番人気は比較的安定しているが、かといって、決して荒れないわけではない。では、どんな存在が波乱を起こすのか。過去の結果からその傾向を探ってみたい。

 まず、このレースに挑む馬たちの臨戦過程を見てみると、7月下旬のGIII中京記念(中京・芝1600m)から向かってくる馬が多い。同じ左回りのマイル重賞ということもあり、今年も4頭の馬がそこから転戦してくる。

 そして当然ながら、中京記念で好走した馬たちが関屋記念でも上位人気となる。

 ただし、過去の傾向を見てみると、中京記念で上位入線を果たした馬が連続してこの舞台でも好走するケースは意外と少ない。むしろ、中京記念で人気を背負いながら凡走した馬が”巻き返す”という形のほうが目立っている。

 例えば、2012年に5番人気で2着となったエーシンリターンズは、前走の中京記念では4番人気ながら14着と惨敗。2014年の1着クラレント(4番人気)や、同3着のサトノギャラント(6番人気)も、中京記念では前者が2番人気で8着、後者が3番人気で7着と、人気を裏切って馬群に沈んでいた。

 また、関屋記念で人気落ちすることはなかったが、2015年の勝ち馬レッドアリオン(2番人気)も、中京記念では2番人気で8着という結果に終わっていた。

 ならば、今年も中京記念で人気に応えられなかった馬の巻き返しに期待したい。最も魅力を感じるのは、ダノンリバティ(牡5歳)だ。


中京記念からの巻き返しが期待されるダノンリバティ

 同馬は、前走・中京記念(7月23日)では3番人気に推されながら、5着と敗れた。その結果、今回は人気が落ちそうだが、過去の例から見限るのは早計だろう。2走前には、今回とまったく同じ条件のオープン特別・谷川岳S(4月30日/新潟・芝1600m)で2着となっており、コース適性も高い。

 そして何より、この馬は昨年の関屋記念でも2着(7番人気)と奮闘。その際も、中京記念で5着に敗れてからの巻き返しだった。同じ臨戦過程で挑む今回、1年前の再現を果たしてもおかしくない。

 続いて、関屋記念の過去の傾向から注目したいのが、3歳馬。というのも、過去10年で3歳馬は8頭しか出走していないが、そのうち2頭、2011年3着のサトノフローラ(3番人気)、2015年3着のヤングマンパワー(9番人気)が馬券圏内に絡んでいるからだ。確率で考えれば、決して低くない。

 そこで、今回狙ってみたいのが、唯一の3歳馬となるオールザゴー(牡3歳)。3カ月の休み明けではあるが、休養前にはGI NHKマイルC(5月7日/東京・芝1600m)で5着と健闘している。

 先述のヤングマンパワーも、NHKマイルC6着のあと、関屋記念で3着に入った。それを考えれば、オールザゴーへの期待はますます膨らむ。

 最後に、冒頭で触れた10番人気以下の激走馬をヒントにして、それと似たタイプの穴馬を探ってみたい。

 例に挙げた3頭のうち、マイネルスケルツィとリザーブカードにはちょっとした共通点があった。それは、2頭とも長い間、重賞を含めたオープンクラスで奮闘していたこと。その間、馬券に絡むことは少なくても、それなりの走りを見せていたこと。そして、かつてはGIにも出走したことがある、ということだ。

 そして今回、同様のタイプを探してみると、1頭の馬が浮上した。ショウナンバッハ(牡6歳)である。

 2015年11月以来、勝ち星から遠ざかっており、頭打ちの印象がある。それでも、前走のオープン特別・福島テレビオープン(7月23日/福島・芝1800m)で4着、前々走のオープン特別・福島民報杯(4月16日/福島・芝2000m)で5着と、近走ではまずまずの走りを見せている。

 また、同馬もかつてはGIジャパンC(12着。2015年11月29日/東京・芝2400m)に出走した経験を持つ。芝のマイル戦は過去に1度しか走っていないものの、2度目となれば良化が見込め、復調へのカンフル剤になるかもしれない。

 半弟には、今春もGI2勝を飾ったあのキタサンブラックがいる。同じ血を持つ兄が、真夏の”大駆け”を披露しても何ら不思議ではない。

 長い直線の激しい叩き合いから、今年はどんな馬が突き抜けていくのか。ファンをあっと驚かせるような穴馬が、馬群の中から飛び出してくることを期待したい。

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