32歳で現役を終えた宮里藍。男女で異なるプロゴルファーの引退事情

32歳で現役を終えた宮里藍。男女で異なるプロゴルファーの引退事情

WEEKLY TOUR REPORT
■米ツアー・トピックス


 宮里藍(32歳)が、今季のメジャー最終戦となるエビアン選手権(9月14日〜17日/フランス)でのプレーを終えて現役から退いた。

 米ツアー9勝、世界ランキング1位の座にも就いた宮里藍。その引退を惜しむ声が多い中、最終日最終ホールではポーラ・クリーマー(31歳/アメリカ)、ヤニ・ツェン(28歳/台湾)ら多くの仲間が最後の雄姿を見守っていた。そして、ラウンドを終えると、往年の名選手、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)に出迎えられ、花束が贈られた。

「14年間、プレッシャーの中で戦ってきた。心身ともにすごくがんばってきたので、まずは『お疲れさま』と自分に言いたい」(宮里藍)

 さすがに込み上げてくる涙は堪え切れなかったが、戦いを終えて見せた彼女のホッとした表情が印象的だった。

 32歳、プロに転向して14年。米LPGAツアーでは12年間戦ってきた。男子プロなら、正直「まだまだこれから」という年齢だろうが、女子ゴルフ界では「まだやれる」という状況で引退する選手が多い。記憶に新しいところでは、2008年にアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が38歳で、2010年にロレーナ・オチョア(メキシコ)が28歳で、競技ゴルフから引退している。

 男子プロの場合、大きなケガなどによってツアーから退くことはあっても、昨今は30代〜40代の選手が競技ゴルフからの引退を明確に発表することはほとんどない。一番の理由としては、一般的に男子のほうがフィジカル的にピークを迎える年齢が高いからだろう。

 そのうえで、PGA・オブ・チャンピオンズという、シニアツアーが充実していることも大きい。40代、あるいは40代半ばを過ぎて、レギュラーツアーでなかなか結果が出せなくなっても、その先に新たな戦いの舞台が待っているとなれば、選手にとっては大きな励みになるのだろう。実際、一旦小休止して、シニア(50歳)になってから再び、”光の当たる場所”で戦う日を心待ちにしている選手は多い。

 例えば、デビッド・デュバル(45歳/アメリカ)がそうだ。ツアー通算13勝を挙げて、2001年の全英オープンでメジャー初制覇。世界ランキング1位になったこともあるが、米ツアーではそのメジャー勝利を最後に16年間も勝利から遠ざかっている(※米ツアー以外では、2001年11月、日本ツアーのダンロップフェニックスに出場し優勝している)。その間、肩のケガもあって大スランプに陥っていた時期もあった。

 現在、45歳。最近ではアメリカのテレビコメンテーターとしてよく顔を見る。それでもまだ、時折ツアーに出場し、”引退”はしていない。シニアの舞台に立てば、再び脚光を浴びるかもしれない。

 往年の名プレーヤーたちも、引退するのは本当に遅かった。昨年他界したアーノルド・パーマー(アメリカ)の、最後の競技試合は77歳のとき。2006年のことだ。

 最後の一戦は、テキサス州で行なわれたPGAチャンピオンズの試合だった。そのとき、パーマーは満身創痍だった。体のあちこちに痛みを抱えていて、最後のラウンドでは途中でもうボールが打てなくなっていた。それでも、彼はプレーをやめなかった。

 実は、すでに彼は試合を途中棄権していた。ボールを打てなくなっていた頃にはスコアもつけていなかった。だが、「たとえエキシビションとしても、(ファンの前では)最後までプレーを続けたかった」とパーマー。なんとも”キング”らしい、紳士的な終わり方だった。

 ジャック・ニクラウス(アメリカ)の最後の戦いは、65歳のとき。2005年、セントアンドリュース・オールドコースで行なわれた全英オープンだった。予選敗退が決まった2日目、最終18番でティーショットを打ったあと、ニクラウスが”スウェルカンブリッジ”で手を振る姿には、コースを取り囲むファンや関係者から10分間にも及ぶスタンディングオベーションが送られた。

 一方、28歳の若さで競技ゴルフから引退したのは、球聖ボビー・ジョーンズ(アメリカ)だ。1930年、全米オープン、全英オープン、そして全米アマ、全英アマと、当時のメジャー4大会を同一年に制して”年間グランドスラム”を達成。ゴルフ界の頂点に立つも、生涯アマチュアのまま、あっという間に表舞台から去ってしまった。

 しかしその後、ゴルフとの関わりは一層深くなり、故郷のジョージア州で世界の名手を集めた大会を催したいと、オーガスタ・ナショナルGCを創設。同コースを舞台としたマスターズ・トーナメントを設立した。誰もが憧れ、「夢舞台」と言われるマスターズは、ジョーンズの精神が今なお受け継がれている。

 さて、今最も気になる男子プロの去就と言えば、タイガー・ウッズ(41歳/アメリカ)だろう。

 現在、41歳。これまで膝と背中の手術を繰り返してきたが、今季は早々に復帰宣言し、大きな期待が膨らむ中、ツアーにも参戦した。だが、体の状態は万全ではなかった。2月の欧州ツアー、ドバイ・デザート・クラシックで途中棄権。以降、出場を熱望していたマスターズにも参戦できず、実戦の舞台からはずっと離れたままだ。

 はたして、このまま現役引退となってしまうのだろうか?

 その注目のウッズが、次週のプレジデンツカップ(9月28日〜10月1日/ニュージャージー州)で米国選抜のアシスタントキャプテンを務め、チームの一員として大会に登場するという。久しぶりに元気な姿が見られることを楽しみにしつつ、今後の動向にも注目したい。

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