渋野日向子の「決断」にドキドキ。東京五輪など今後へ最善の策は?

渋野日向子の「決断」にドキドキ。東京五輪など今後へ最善の策は?

 全英女子オープンを制して以降、渋野日向子の注目度は高まるばかりだ。

 凱旋帰国後、国内ツアーでも大いに奮闘している。常に大勢のギャラリーに囲まれ、日々メディアに追いかけられるなかでも、笑顔を絶やすことなく、溌剌(はつらつ)としたプレーを披露。9月のデサントレディース東海クラシックでは、最終日に8打差をひっくり返す奇跡の逆転優勝を飾り、”シブコフィーバー”は一段と増している。

 今季3勝を挙げて、現在の賞金ランキングは2位。1位の申ジエとは、およそ600万円差まで迫ってきており、高額賞金トーナメントのNOBUTA GROUP マスターズGCレディース(10月24日〜27日/兵庫県)の結果次第では、渋野がトップに立つ可能性も出てきた。

 ここまでくれば、渋野自身もそこを意識していることは言うまでもない。「(今季の)新たな目標は賞金女王です」と公言している。

 ツアールーキーながら、いよいよ現実味を帯びてきた賞金女王奪取。その快挙達成を期待するファンも多いことだろう。

 そんな彼女に対する関心事は、それだけにとどまらない。メディアはもちろん、多くのファンが気になっているのが、米ツアーへのフル参戦を果たすかどうか、である。


ZOZO CHAMPIONSHIPに出場するタイガー・ウッズと記念撮影する渋野日向子

 全英女子オープンの優勝で、渋野は米ツアーへの出場権利を得た。ただし、参戦するためには、米ツアーメンバー登録が必要となる。その申請期限が11月18日(日本時間11月19日)に迫っているのだ。

 しかし今回、渋野はメンバー登録に関しては否定している。

「来年(の米ツアー参戦)は、まだ考えていません。(自分には)まだ早すぎます。将来的には(米ツアー参戦を)考えていますけど」

 日本女子プロ選手権、日本女子オープンを経て、2戦とも制した同じ”黄金世代”の畑岡奈紗から大きな刺激を受けた渋野。「(米ツアーには)興味がない」と言っていた全米女子オープン優勝直後に比べれば、米ツアー参戦への意識は確実に高まっているが、現状、来季からのフル参戦については回避する見込みだ。

 一方で、これまた渋野と同じ”黄金世代”の河本結は、「子どもの頃からの夢だった」と米ツアー挑戦を早々に表明。10月23日から(11月2日まで。計8日間)始まった最終予選会に参加している。ここで、45位タイまでに入れば、来季の出場権を獲得できる。

 河本がこうした答えを導き出したのは、もともと海外志向が強いのもあるが、来年には東京五輪があるからだ。五輪に出場するためには、世界ランキングを上げるしかない。その最善策が、ポイントの高い米ツアーに挑戦して結果を出すこと、と判断したわけだ。

 そんな同世代の果敢なチャレンジにも渋野は、「(河本は)以前からずっと『アメリカで戦いたい』と言っていました。なので、(河本の米ツアー挑戦に)驚きはないですね」と、淡々としたもの。自身の気持ちが揺らぐことはなかった。

 渋野の関係者によれば、いきなりの海外挑戦は、肉体的にも、精神的にも負担が大きく、焦ってチャレンジしても結果は出ない、という判断もあったそうだ。

 とはいえ、目標としている東京五輪出場のためにも、出場できる米ツアーの試合には、積極的にスポット参戦していく意向だ。そして早速、マスターズGCレディースの翌週には、主催者推薦を受けて米ツアーのスウィンギングスカートLPGA台湾選手権(10月31日〜11月3日/台湾)に出場する。渋野が語る。

「台湾の試合に出るって決めたのは、来年のオリンピックが大事なので。世界ランキングを上げるとか、今の位置を維持するためには、米ツアーに出ないといけないと思ったからです。米ツアーのセッティングをもっと体験したいのと、それに挑戦したいという気持ちもありました。出るからには、しっかりといい成績を出したいなと思っています」

 渋野が米ツアー参戦の登録を急がないのは、全英女子オープンの優勝で、いくつかの恩恵を得られたこともある。優勝した全英女子オープンには、向こう10年間出場できる。さらに、海外メジャーのANAインスピレーション、全米女子オープン、全米女子プロ選手権、エビアン選手権には、今後5年間の出場権が与えられている。

 加えて、来季のHSBC女子チャンピオンズ(シンガポール)にも、ツアー優勝者という権利で出場可能。他の試合でも、推薦を得られる試合が今後も出てくるだろう。

 であれば、慣れた環境の日本ツアーをベースにして、コンディションを整えながら、米ツアーの試合に臨むことができる。それなら、渋野にとっての負担はいくらか軽減され、その分、よりいい結果が望めるかもしれない。

「海外に出るなら早いほうがいい」という意見もあるだろうが、自らの立ち位置を正確に把握して、何がベストなのか、自分できちんと判断できるのが、渋野だ。だからこそ、”強い”選手なのである。

 登録期限までは、まだ時間がある。最終的に、彼女がどんな決断を下すのかはわからないが、我々はその決断を尊重し、さらなる活躍を期待するだけである。

著者:金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook


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