2月15日、東京競馬場で3歳牝馬によるGⅢクイーンC(芝1600m)が行なわれる。


前走のGⅢファンタジーSで2着だったマジックキャッスル

 このレースは”出世レース”としても知られており、過去10年に限っても、2011年勝ち馬のホエールキャプチャと2012年勝ち馬のヴィルシーナが、のちにGⅠヴィクトリアマイル(東京/芝1600m)を制覇。また、2016年の勝ち馬メジャーエンブレムがGⅠNHKマイルC(東京/芝1600m)を、2019年勝ち馬クロノジェネシスがGⅠ秋華賞(京都/芝2000m)を制するなど、多くの勝ち馬がGⅠ馬になっている。

 今年は14頭が登録しているが、どの馬が勝っても重賞初制覇というフレッシュな顔ぶれになった。マジックキャッスル、ミヤマザクラと重賞2着馬が2頭、ホウオウピースフル、シャンドフルール、アールクインダムと2勝馬も3頭いるが、筆者がポテンシャルと血統に魅力を感じているのがルナシオン(牝3歳/美浦・藤沢和雄厩舎)だ。

 ルナシオンのデビューは昨年10月14日の東京芝1800m戦。まずまずのスタートから、やや行きたがる素振りを見せながらも好位を追走。4コーナーでは手応えが悪く、直線では前が壁になり、追われてからの反応も悪かったが、残り100m付近でエンジンがかかる。そこから一気の末脚で、一瞬のうちに6頭を交わし去るすばらしい瞬発力を見せた。

 勝ち時計は1分53秒0、上がり3Fは34秒3と、稍重馬場でもあり数字的にはそれほど評価できるものではない。ただ、スケールの大きさは重賞級のものを感じさせた。今回はそれ以来約4カ月ぶりの実戦となるが、よりパワーアップした走りが期待できそうだ。

 血統を見ると、兄に昨年のGⅠジャパンC(東京/芝2400m)、一昨年のGⅠ大阪杯(阪神/芝2000m)を勝ったスワーヴリチャード、2014年のGⅢきさらぎ賞(京都/芝1800m)2着のバンドワゴンがいる。また、全姉ルナステラは現役で3勝を挙げている。

 ディープインパクト産駒で、母の父がアンブライドルズソングという配合は、昨年の最優秀2歳牡馬コントレイル、GⅡデイリー杯2歳S(京都/芝1600m)勝ち馬のレッドベルジュールと同じだ。GⅢアルテミスSを勝ったリアアメリア(東京/芝1600m)も、母の父の父がアンブライドルズソングと、まさに”旬の配合”と言える。

 さらに、本馬と同じ藤沢和雄厩舎で、昨年の桜花賞馬グランアレグリアは、アンブライドルズソングの父アンブライドルドを母系に持っていた。新馬戦の走りの内容からはGⅠオークス(東京/芝2400m)向きの印象もあるが、ここでいい走りをすれば、GⅠ桜花賞(阪神/芝1600m)の有力候補に躍り出るだろう。

 大崩れがなさそうで、馬券の軸として最適なのはマジックキャッスル(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)。福島芝1200mの新馬戦を4馬身差で快勝後、続くサフラン賞(中山/芝1600m)で2着、前走のGⅢファンタジーS(京都/芝1400m)でも2着だった。

 勝ち切れないレースが続くが、サフラン賞の勝ち馬マルターズディオサはGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ2着、ファンタジーS勝ち馬レシステンシアは阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬と、強い馬を相手に好走を続けている。

 マジックキャッスルもディープインパクト産駒で、母は2008年桜花賞3着のソーマジック。兄ソーグリッタリング(父ステイゴールド)もリステッドの六甲S(阪神/芝1600m)を勝っているという優秀な血統馬だ。重賞実績からも、軽視は禁物だろう。

 以上、今年のクイーンCはルナシオン、マジックキャッスルの2頭に期待したい。

著者:平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki