GII京都記念(京都・芝2200m)が2月16日に行なわれる。

 伝統の中距離重賞とあって、過去のレースを振り返ってみると、GI馬をはじめ、GIで好走歴がある馬、重賞実績豊富な馬など、強豪実力馬が数多く出走している。そのため、「堅いレース」といったイメージを持っている人が多いのではないだろうか。

 実際、過去10年の結果を見てみると、7番人気以上の人気薄が馬券圏内(3着以内)に絡んだことはなく、”大荒れ”という結果になることはほとんどない。

 しかし一方で、大本命と目されていた馬の、”まさか”という敗戦が何度となく起こっている。

 たとえば、2014年。牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成し、その後もGIジャパンC(東京・芝2400m)で連覇を果たすなど、GI戦線で存在感を示していたジェンティルドンナが、単勝1.6倍という圧倒的な支持を集めながら、6着に沈んで人気を裏切った。

 その翌年(2015年)も、桜花賞馬のハープスターが1.8倍、ダービー馬のキズナが2.3倍と、2頭が断然の人気を獲得。大方の予想では、両者のマッチレースになると見られていたが、キズナが3着、ハープスターが5着に屈した。

 さらに、2017年にマカヒキ、2018年にレイデオロと、前年のダービー馬が単勝1倍台の人気を得ながら、いずれも3着に敗れている。

 実は、レース前のイメージに比べると、波乱が起こりやすく、馬券も思いのほかオイシイ配当になることが多いのだ。

 結局、実績のある有力馬にとっては、ここはあくまでもGIシーズンへ向けての叩き台。その分、足元をすくわれることが多いのだろう。

 そして今年も、この先に大目標を見据えた2頭の実績馬が出走する。

 GI秋華賞(10月13日/京都・芝2000m)を勝ったクロノジェネシス(牝4歳)と、GIオークス(5月19日/東京・芝2400m)で2着と奮闘し、秋華賞、ジャパンC(11月24日)という直近2戦のGIでも連続2着に入ったカレンブーケドール(牝4歳)だ。

 この2頭が人気を争いそうだが、過去の例からして、”危険な人気馬”と捉えることもできる。無論、ここではそう捉え、穴狙いに徹することをオススメしたい。

 では、どういった馬を狙えばいいのか。過去10年の結果を参考にして探ってみたい。

 まず、目につくのは、3番人気の強さだ。過去10年で2勝、2着4回、3着1回という好成績を収めている。馬券圏内に入っている数は、各6回ずつにとどまっている1、2番人気を抑えて、最も多い。


京都記念で「2強」崩しが期待されるステイフーリッシュ

 ならば、今年も3番人気になりそうな馬は外せない。そして今年、上記2頭に次ぐ、3番人気に想定されるのは、ステイフーリッシュ(牡5歳)だ。

 前走のGIIアメリカジョッキークラブC(1月26日/中山・芝2200m)では、勝ったブラストワンピースにコンマ2秒差の2着と健闘。そのひと叩きで、今回はさらなる状態アップが見込める。

 また、このレースはリピーターの活躍が多い。ヒルノダムール(2011年=3着、2012年=3着)、トーセンラー(2013年=1着、2014年=2着)、サトノクラウン(2016年=1着、2017年=1着)らが、いい例だ。

 ステイフーリッシュも、昨年のレースでクビ差2着。舞台相性のよさからも、大いに期待したい1頭だ。

 人気面で言うと、6番人気の馬にも注目である。なにしろ、過去10年で4度も6番人気の馬が勝っているからだ。

 とはいえ、戦前に6番人気の馬を推測するのは、難しい。そこで、過去に5番人気以上で連対した馬にスポット当てて、それらに共通する点を探ってみたい。

 対象となるのは、2011年のメイショウベルーガ(5番人気2着)、2012年のトレイルブレイザー(5番人気1着)、2013年のトーセンラー(6番人気1着)、2014年のデスペラード(6番人気1着)、2016年のサトノクラウン(6番人気1着)、2017年のスマートレイアー(5番人気2着)、2019年のダンビュライト(6番人気1着)だ。

 これらの戦績を見てみると、すべての馬が重賞を勝っていることがわかった。ということで、人気馬以外の伏兵から、重賞勝利がある馬を推したい。

 候補となるのは、アメリカズカップ(牡6歳)、ガンコ(牡7歳)、クラージュゲリエ(牡4歳)、ドレッドノータス(せん7歳)の4頭だ。

 ここから、さらに絞り込んでいきたい。前述の伏兵馬の中でも、6番人気で勝利した4頭のうち、トーセンラー、サトノクラウン、ダンビュライトは、2、3歳時から重賞で活躍しており、3歳のクラシック競走にも出走している。

 この条件から、4歳まで条件馬だったガンコは外したい。

 なお、過去10年において、半年以上の休養明けでこのレースを勝った馬はない。となると、今回8カ月以上の休み明けとなるクラージュゲリエは、あまりオススメできない。

 残る2頭、アメリカズカップとドレッドノータスを、ここでは「穴馬」候補として推奨したい。

 アメリカズカップは、3歳時にGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)を勝利。以降、重賞勝ちはなく、近走も振るわないが、今回は3カ月の休養を経てのリフレッシュ効果が見込める。加えて、”荒れ馬場”を得意とし、今の京都の馬場なら一発あってもおかしくない。

 ドレッドノータスは、2歳時にGIII京都2歳S(京都・芝2000m)を快勝。その後、重賞勝ちからは遠ざかっていたが、2走前のGII京都大賞典(10月6日/京都・芝2400m)で、およそ4年ぶりに2度目の重賞制覇を飾った。

 続くGI天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)では16着に敗れるも、そこはさすがに相手が悪かった。それに比べると、今回のメンバーレベルはグッと落ちる。こちらも、重賞2勝を挙げている得意な京都で、巻き返しがあっても不思議ではない。

 春の大舞台を目標とした馬たちが人気を集めるなか、虎視眈々とチャンスをうかがう伏兵たち。そのチャンスを生かす馬が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。

著者:text by Sportiva