10月4日、中山競馬場でGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。


高松宮記念を勝利したモズスーパーフレア

 今年のメンバーは、昨年の勝ち馬タワーオブロンドンこそ不在だが、今年のGⅠ高松宮記念を勝ったモズスーパーフレア、昨年の高松宮記念を勝ったミスターメロディ、そして今年のGⅠ安田記念、昨年のGⅠ桜花賞を勝ったグランアレグリアが参戦。他にも、今年に重賞を勝った馬がアウィルアウェイ、エイティーンガール、ダイアトニック、ダノンスマッシュ、ビアンフェ、ラブカンプー、レッドアンシェルと7頭もおり、かなりレベルが高い顔ぶれとなった。

 スプリンターズSには注目すべき大きな血統的傾向があり、ミスタープロスペクター系が非常に強い。これまでに11勝を挙げ、昨年まで4年連続で勝利。さらに2着が5回、3着も5回あり、昨年と2017年は1〜3着の上位を独占。2018年も1着と3着に入っている。

 今年の登録馬におけるミスタープロスペクター系はカイザーメランジェ(父サクラオリオン)、ダイアトニック(父ロードカナロア)、ダイメイフジ(父アグネスデジタル)、ダノンスマッシュ(父ロードカナロア)、モズスーパーフレア(父スペイツタウン)、ヤマカツマーメイド(父ロードカナロア)の6頭。有力と目されている馬も名を揃えている。

 中でも筆者が最有力視するのが、モズスーパーフレア(牝5歳/栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 父スペイツタウンは米GⅠBCスプリント(ダート6F)を勝ったスプリンターで、産駒にはダート重賞2勝の快足馬マテラスカイ、首GⅠドバイゴールデンシャヒーンのレイナルドザウィザード、仏GⅠジャンプラ賞のロードシャナキルなど、芝、ダート問わず多くの名スプリンターを送っている。

 モズスーパーフレアは、昨年のスプリンターズSは逃げてタワーオブロンドンから1/2馬身差の2着。今年は高松宮記念を2位入線からの繰り上がりで勝ち馬となっている。
 
 この馬の最大の魅力は、何といっても圧倒的なスピードにある。昨年のGⅢオーシャンS(中山/芝1200m)では前半3F32秒3というハイラップを刻みながら、2着に1馬身1/4の差をつけて逃げ切っている。

 小倉や福島のように直線が平坦だったり、緩い坂の競馬場ならハイペースで逃げ切ることも珍しくないが、中山のような高低差5.3mという急坂のコースで逃げ切るのは至難の業。過去30年、「中山/芝1200m」で前半32秒5以内のラップを刻んで逃げ切った馬は、他に2002年OPオーシャンSを勝ったショウナンカンプしかいない。ショウナンカンプも高松宮記念勝ち馬であり、モズスーパーフレアも繰り上がりの勝利だったとはいえ、その勲章に相応しいスピードを持ったスプリントGⅠ馬と言える。

 さらにモズスーパーフレアを推したい理由は、中山コースとの相性のよさにある。前述のオーシャンSなど、これまで5戦して3勝、2着2回のパーフェクト連対。そのうち2レースで記録した持ちタイム1分07秒0は、スプリンターズSの過去の勝ちタイムと比較しても2位タイに入る優秀なものだ。高松宮記念では初の重馬場を苦にせず走るなど、馬場が渋っても問題ないのも心強い。

 前走のGⅢ北九州記念(小倉/芝1200m)は14kg増の馬体重で56.5kgの重いハンデを背負い、稍重馬場の中で前半3F32秒4のハイラップを刻んで2着と頑張った。昨年も、26kg増の大幅な馬体増で出走した北九州記念で4着に敗れたあと、スプリンターズSで2着に入っており、すでに実績のある臨戦過程というのも心強い。今度こそ1位入線で正真正銘のGⅠ制覇といきたいところだ。

 ミスタープロスペクター系からもう1頭、「父仔制覇」を狙うロードカナロア産駒の中からダイアトニック(牡5歳/栗東・安田隆行厩舎)を挙げたい。同馬は昨年のGⅡスワンS(京都/芝1400m)で怒濤の追い込みを決めて重賞初制覇した。

 今年6月のGⅢ函館スプリントS(函館/芝1200m)で重賞2勝目を飾った走りも圧巻で、2番手追走から楽に抜け出して2馬身差をつける完勝だった。勝ちタイム1分07秒5はコース史上2位タイの好タイムだ。前走のGⅢキーンランドC(札幌/芝1200m)は15着と大敗したが、洋芝の重馬場が合わなかったのだろう。重馬場の高松宮記念では3着に入っているため、洋芝でなければ多少馬場が渋っても問題ないはずだ。

 以上、今年のスプリンターズSは、ミスタープロスペクター系の2頭、モズスーパーフレアとダイアトニックに期待したい。

著者:平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki