リードオフジャパン、チリワイン「コセチャ」

リードオフジャパン(LOJ)は1985年、現社長の渡邊弘之氏がメキシコの酒類専門商社として設立したが、その後すぐに、中米南米商社へと進化を遂げる。1999年には、三菱商事との業務提携を行い、日本ヒューブラインの商権が移行、業容を一気に拡大する。2000年にはフランス商材の輸入も開始、2007年からは酒類中心から飲料・食品中心へと大きな方向転換を図り、エムシービバレッジフーズの一部輸入食品事業を吸収、ハーシーやアップルタイザーなどの商品は今までの会社のイメージを一新するものとなった。現在の売上高は食品・飲料が8割、酒類が2割の構成となっている。

また、その過程でカジュアルフレンチの「ブラッセリー・ヴァトゥ」、テキーラ専門の大型バー「アガヴェ」をはじめとした直営飲食店舗の開発、さらにワインのインターネット通販会社「ドラジェ」の買収、また、同社内においてBtoBの飲食店向け酒類仕入サイト「アルコル」の立ち上げなどウイングを外食、ECに拡げている。2016年には伊藤忠食品との資本業務提携を行い、新しいステージに飛躍している。

〈チリワイン「コセチャ」、ウォッカ「ズブロッカ」、紅茶リキュール「ジョシィー」柱に〉
取締役営業本部長兼ブランド戦略部長の渡邊亮太氏に今期(2021年3月期)の方針を聞いた。氏は「まずは既存ブランドの強化を図る。次に、昨年から用意し、一部ではリリースしてきた新商品を本格始動する年になる」と語る。 リードオフジャパン取締役 営業本部長兼ブランド戦略部長・渡邊亮太氏

リードオフジャパン取締役 営業本部長兼ブランド戦略部長・渡邊亮太氏

既存品の強化のまず第1は、チリワイン「コセチャ」だ。VSPT(ヴィーニャ・サン・ペドロ・タラパカ)グループ傘下でマイポヴァレーの名門、ビニャ・タラパカの戦略的ブランドで、参考小売価格は630円(税別)と手に取りやすい上に、酒質の面で競争優位性が高いとみる。
 
「シャルドネ」「カベルネソーヴィニヨン」に加えて、2019年5月からは「ピノ・ノワール」「ソーヴィニヨンブラン」を、また「レゼルバ カベルネソーヴィニヨン」「レゼルバ シャルドネ」(税別1,350円)、「スパークリングブリュット」(税別1,500円)をラインアップした。「世界的にチリワインは再評価されているが、日本は低価格のイメージを脱却できていない。安易な価格競争には乗らない。業務用が約8割と強いが、今後は家庭用でもっと売場を拡げていく」(渡邊氏)。
 
次にポーランドを代表するフレーバードウォッカ「ズブロッカ」だ。一時期商権が移行していたが、現在は同社の主力商品の一つとしてポジションを固めている。起源は500年以上前と言われており、世界70カ国以上で親しまれている。10月26日を日本独自の「ズブロッカの日」として記念日制定(日本記念日協会公認で、ポーランド語でバイソンの意である「ジュブル」=10(ジュ)26(ブル)の語呂合わせ)し、2018年から、この日を祝う400人規模の消費者向けイベントを都内で実施している。

フレーバードウォッカ「ズブロッカ」

フレーバードウォッカ「ズブロッカ」

渡邊氏は、「50歳以上は認知率は高いが、若者層は知らない方も多い。知れば魅力的なブランドと分かってもらえるはず」と語る。2月に開催された「さっぽろ雪まつり すすきの会場」では昨年に続いて、「ズブロッカ」のアイコンであるバイソンと、ボトルをかたどった氷像を展示、1,500セットの「ズブロッカ」ミニボトルを配布して、認知を高めた。
 
3つめにティーリキュール「ジョシィー」だ。渡邊弘之社長の思い入れが詰まった製品で2003年に誕生した。渡邊社長はそれまで扱っていた紅茶リキュールに対して「もっと香り豊かなものがほしい」といった要望があったことと、個人的に紅茶が好きだったことから、フランス・ディジョンの老舗リキュールメーカーの社長に相談、様々な開発の苦労を経て誕生した。

ティーリキュール「ジョシィー」

ティーリキュール「ジョシィー」

ちなみにネーミングは社長夫人のジョシィーさんから取られた。インド・スリランカ・中国・ブラジルの厳選した最高級茶葉をじっくり漬け込むことで「カクテルベースにしても、製菓に使っても、茶葉の香りが豊かだ。競合銘柄との優位性は高いと確信している。また、5年前から導入したマテ茶・ジャスミン茶のフレーバーは、他にないので重宝されている」(渡邊氏)と自信をみせる
 
〈祖業であるテキーラに再注力〉
そのほかにもCVSで発売しているワインで、仏ローヌ「ヴァルグラン プレミアム」シリーズ(赤・白)、南仏産「ルート・デュ・ソレイユ オーガニック」(赤・白)は「CVSでハーフボトル、かつスクリューキャップというトレンドに先鞭をつけた商品として評価されている」(渡邊氏)。
 
また、創業時から渡邊社長が懇意にしている家族経営の「オレンダイン」は、テキーラを日本市場に根付かせた功績を持つ。「欧米資本がテキーラに参入することにより、テキーラの品質が格段に向上し、イメージが変わることで世界的に需要が増えている。バー業態でもテキーラを1種類から、2種類、3種類と増やすトレンドもある。同様にメキシコの代表料理であるタコスの専門店がニューヨークから日本にも広がっている。これらを追い風として、新製品の投入も含めて祖業であるテキーラに再注力していく」(渡邊氏)。
 
最後に台湾ウイスキー「カバラン」だ。これまで高価格帯が中心だったが、2019年9月に「カバラン ディスティラリーセレクト」(参考価格4,500円税別)をリリースして以降、バーだけでなく家庭用でも伸長している。「亜熱帯地域のウイスキーとして目を惹き、その品質の高さに驚かれる。そのため、ウイスキーのイベントには出来るだけ出展している。台湾旅行が好きな女子はたくさんいて、現地でミニボトルをお土産に購入したりなどで、口コミで広がっている。ウイスキー愛好家だけでない拡がりがある」(渡邊氏)。
 
〈新商品「AC/DC サンダーストラック」など〉
今年から本格始動する主な新製品は次の通り。
 
▽プレミアムテキーラ「ルースター・ロホ」=パジェスとロス・アルトス両産地のアガベアスールを100%使用。750ml、アルコール40%。
▽プレミアムテキーラ「AC/DC サンダーストラック」=ロックバンド「AC/DC」公認テキーラ。パジェスとロス・アルトス両産地のアガベアスールを100%使用。750ml、アルコール40%。
▽アイリッシュウイスキー「ライターズティアーズ」「アイリッシュマン シングルモルト」「アイリッシュマン ファウンダーズリザーブ」=700ml、アルコール40%。
▽「ボヘミア ピルスナー」=メキシコのプレミアムビール、フルボディ。355ml、アルコール4.7%。
▽アロエ飲料「アロエベラキング」=オーガニックアロエ葉肉入りドリンク。世界のアロエ飲料市場No.1。テキーラで割材としても提案。
 
〈プロフィール〉渡邊亮太(わたなべ・りょうた)
2009年アイク(現イオントップバリュ)に入社。2012年同社を退社、2013年サンフランシスコのHult International Business Schoolに入学、MBA取得。2015年にリードオフジャパンに入社、現在にいたる。
 
〈酒類飲料日報2020年3月24日付〉