アサヒコ「もっちり豆腐ライスのキーマカレー」

豆腐メーカーのアサヒコ(さいたま市)は、豆腐市場の苦戦傾向をカバーすべく、簡便なミールキット商品を開発し、その中で効率的なたんぱく質摂取を実現するため、大豆ミートを取り入れている。さらに、地球環境への配慮を含め永続的に健康に暮らすには、植物性食品が必須との考えのもと、今年から、新たな代替肉を展開していく考えだ。

アサヒコのマーケティング本部マーケティング部・池田未央部長は、1人当たりの豆腐の購入点数を上げるため、
△普段から料理をする人に向けては、レシピサイトと連携したさまざまなメニュー提案
△料理を面倒に感じている人に向けては、下ごしらえを済ませたミールキットなどの提供
△大豆たんぱくが豊富な健康食品として、肉の代替になる進化系の大豆加工品の展開
――を3本柱に掲げている。 マーケティング本部マーケティング部・池田未央部長

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ミールキットの軸では、同社は昨年秋から、「おか豆(ず)」シリーズを展開している。たんぱくが絹豆腐の約2倍の高たんぱく豆腐を使った「もっちり豆腐の四川麻婆風」「もっちり豆腐のアヒージョ」に加え、今年3月1日からは、ダイエットを気にする人が増える夏に向けて、高たんぱく質豆腐をライスに見立て、大豆ミートのキーマカレーをかけて食べる「もっちり豆腐ライスのキーマカレー」を新発売した。
 
「四川麻婆風」「キーマカレー」には、ひき肉の替わりに大豆ミートを配合することで、1食当たりのたんぱく質量がそれぞれ13.4g、12.8gと、「ハイプロテイン」を実現した。池田部長は、「あえて言わなければ、肉を使っていないとは気づかれない品質。ソースは高たんぱく豆腐に合うようにオリジナルで調整した。女性であれば1食として完結する食べ応え」と、商品に自信を見せる。
 
〈豆腐からミンチ状の代替肉作る、食感柔らかく大豆臭さを感じない〉
肉の代替になる進化した大豆加工品の展開で、親会社が韓国の大手食品企業・プルムウォンであり、米国や中国でも豆腐ビジネスを展開する強みを生かす。「米国チームは以前からビヨンドミートなどを研究してきた。毎月、商品開発の会議をグローバルでやっており、世界的なニーズをいち早くキャッチして共有する。その上で、日本向けの商品の開発を進めてきた」(池田部長)という。
 
これまで使用していた大豆ミートは、仕入れたものだったが、今年から満を持して、豆腐メーカーだからこそ出来る代替肉を、自社工場で製造、小売用・業務用で展開する計画だ。ひき肉の替わりに使えるミンチ状の商品をチルドで販売する。
 
一般的な大豆ミートとは素材、製造方法が全く異なるという。豆腐から製造するため、より食感が柔らかく、大豆臭さを感じず、大豆たんぱく質の吸収率も高い。さらに、料理のトッピングとしてなど、手軽に使いたいというニーズにも応え、あらかじめ味が付いたタイプも用意する。余ったひき肉は冷凍する人も多いため、今後は冷凍での展開も視野に入れたいという。
 
池田部長は代替肉の展開について、「消費者の理解が進み、売上が伸びていくまで時間はかかるだろう。日本は海外と比較し、環境への意識がそれほど高くなく、さらに宗教の関係で肉が食べられない人は少ないことに加え、肉をそこまで多く食べていないためだ。そのため、メーカーから啓発活動をしていかなくてはならない」と、中長期的に育成する必要があると話す。
 
その一方で、「日本人は昔から、代替肉のような存在とも言える、精進料理に慣れ親しんできた。今の日本のライフスタイルに合わせた商品を、どのように伝えていくかを考えながら取り組んでいくことが大切だ」と、昔から大豆食品を食べてきた日本だからこその可能性を語った。
 
〈大豆油糧日報2020年3月25日付〉