USEN「Uレジ Mobile Order」

新型コロナウイルスの感染拡大で衛生観念は大きく変化している。飲食店のメニューでさえ触りたくないと思う人は少なくない。その中でUSEN(USEN-NEXT GROUP)は、来店者のスマートフォン(スマホ)から料理の注文を直接行えるサービス「Uレジ Mobile Order」の提案を進めている。また、飲食店の支援としてスマホからメニューを表示できるサービス「USEN My Menu」も無償で提供している。まずは利便性を広く知ってもらい、「Mobile Order」の採用にもつなげていく。

JTB総合研究所の調査によると、今後の日常生活で継続したいことに「マスク着用、消毒など衛生管理」(81.8%)、「3密回避・ソーシャルディスタンス確保」(80.7%)と8割以上の人が答えており、衛生意識は高まっている。

東京・渋谷にある居酒屋「黄金屋」では、「Uレジ Mobile Order」を導入している。来店者は店員から渡されたQRコードに自分のスマホをかざしている。表示されるのはその店のメニューだ。画面をタップして注文すると、店舗側の端末にオーダーの情報が送られ、提供の準備に入る。

「黄金屋」の田中温子店長は「来店される方も物珍しさから使ってくれることも多い。また、店としても注文を聞き取りに行く手間を減らせるため、非常にありがたい」と話す。ただ、スマホからすべてできてしまうため、友人同士で行った際に、互いに同じものを頼んでしまうことも。

USENのITソリューション事業部の伊藤直嗣事業部長は「導入した日に店に行って驚いたのは、スタッフも抵抗なく扱っていたことだ」と振り返る。

この「Uレジ Mobile Order」は、店舗の働きやすさにつながるとともに、コロナ禍で求められる衛生対策にも貢献できるという。スタッフは不特定多数の人との接触を抑えられる。利用者は他の人が触れたかもしれないメニューを手に取る必要がなく、オーダー時の飛沫感染のリスクも減らせる。

また、LINEはデリバリーやテークアウトで、「Uber Eats」はデリバリーで提携している。UレジとLINEやUberを利用することで、テークアウトの注文から受け渡しを終えるまでのオペレーションを一元管理できるため、手間やミスを減らせる。

そのお試し版のような取り組みとして、2020年6月から「USEN My Menu」の提供もスタートした。メニューブックを電子化し、店舗に設置されたQRコードを読み取ることで、スマホからメニューを見られる。すでに約1,000店で導入されたという。不特定多数の人が触れたメニューを手に取らなくてよいため、昨今の生活様式にも合っている。テーブルの上の省スペース化になるほか、入店待ちの際にメニューを見て待つこともできる。

伊藤事業部長は「ニューノーマルのような生活様式がどこまで定着するかは未知数。しかし、従業員の働き方の改善には間違いなく役立つ」と力を込める。

今後は様々な決済サービスに対応するとともに、顧客分析にも役立てられるようにする。来店者の分析を可能にすることで、刻一刻と変化する今の情勢でも最適な食材の受発注などを行えるようにし、飲食店に役立つシステムの提供を目指す。伊藤事業部長は「もしももう一品頼みたくなるようになれば、それだけでも客単価を押し上げられる。こうした部分にも寄与できれば」と語った。